・ ページ7
.
「どこいるの??あ、いた…」
「うわっまぶしぃ!」
「なんでライトも持たずに来てんの?危ないよ」
「そんなん無くても見えるもん」
べーって舌を出して、こいつは野生児なのか…。街灯も少ないし光がなきゃ道端の小川に何回だって落ちそうだ。
「消して、それ」
「え…でも…真っ暗じゃん」
「蛍が逃げちゃうから」
「えぇ〜でも道が見えない」
「俺に着いてくればいいから」
手をぎゅって握られて、軽く引っぱられる。
仕方なく光を消して、小さめの懐中電灯はポケットにしまった。
真っ暗な道を手を引かれて歩く。
今日は空も曇ってて、月も見えない。
目隠しをされたままどこかに連れていかれてるみたいだった。
ちょっと怖いな…。
「……怖い?」
「…う…、いや…ぜんぜん」
「ふっ…そっか」
心を読まれたのかと思った。動揺して否定したけど怯えてんのバレバレ…ダサいな俺…
早く着かないかな…手を繋がれてるなんて、ちょっとやだよ。だからって離せないけど
「ふふ…」
「なに?」
「いのおちゃん…面白いね」
「どこが?」
おれは今手を引かれて歩いてるだけなんだけど
どこに面白いポイントがあったの。
まさか『やっぱこの細モヤシは暗いとこでもビビってんだな』とか思われてる?
「暗くてドキドキしない?」
「…ぜんぜん」
「あははっ」
「なんで笑うの…」
しばらく歩いてたら足元の感覚が土じゃなくなった。
足元気を付けてねって声が優しくて、まるで手を引かれてるお姫様みたい………やっぱやだな早く着け。
そう思ってたら動きが止まった。
「ついたよ。いのちゃん」
まるでその言葉が合図みたいに、一気に光がいくつも川辺から飛び出す。
「…う…わぁ……」
蛍だ…めちゃめちゃ沢山飛んでる…!
「すっごい!きれー」
ふわふわ浮かぶ黄緑色の光がゆっくり点滅した。
呼吸してるみたい…
「蛍…こんな沢山初めて見た…」
「きれいでしょ」
「すごいね…」
都会では見られないこんなの…凄いな…
311人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彼方(プロフ) - 最初から最後まで、とても面白かったです!! 高校入学後も、タヌキさんがナイスな橋渡しをしてくれると願ってます(^^) (2022年7月17日 7時) (レス) @page50 id: 88dc4878ec (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 彼方さん» 彼方さん、ありがとうございます!!ほんと停滞サイトで申し訳ない!続きも頑張ります(*´∀`*) (2021年6月27日 9時) (レス) id: 0d940f7544 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - お話が再開されていて、あまりの嬉しさにコメントさせて頂きました。これからも楽しみにしています! (2021年6月26日 20時) (レス) id: 631c1117d1 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ずみさん» ずみさん感想ありがとうございます!!めちゃめちゃ更新止まってるのに読んでくださり有難い限りですm(_ _)m たぬきの大ちゃんは譲れない作者です\(^^)/私もウサギさんは裕翔かなと思ってました(*´∀`*) (2021年6月26日 8時) (レス) id: 0d940f7544 (このIDを非表示/違反報告)
ずみ - 最高に面白かったです!やまいのありの設定が可愛いすぎます。あのうさぎは裕翔くんかなっとつい思ってしまいます。 (2021年6月21日 9時) (レス) id: bd4fe09068 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はな | 作成日時:2020年9月9日 22時