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「同時に火つけて、長く持った方が勝ちね」
「おっけ〜」
「いくよ〜」
「いのちゃん!火の玉!」
「ふふ…まだ着けてないよ」
「ちがう!あっち!」
「え…?」
顔を上げると庭の向こうにふわふわ…浮かんで…
リアル火の玉!!ついにでたぁっ!!
「なにあれ!!本物??やまちゃん!!」
「くっくっく…」
「え…何笑って」
キュ〜〜
『ドッキリ〜』
ガサッて庭木から頭だけ出してきた。
またお前かよ…!!たぬき…!!!!
「もぉぉぉ…」
「ふふふっ…いのちゃん、ほんとビビり」
「やまちゃんもグルかよ!ひどいよ!」
「ひとりで化けられるの、いのちゃんに見せたいって」
「見せてくれなくていいよっ」
大体人間になってたじゃん。あれは山ちゃんにしてもらったって言ってたか。
「見てあげてよ、俺しか相手いないからあいつも」
キューンキューン
『いもちゃんいもちゃん!!!抜けない!!』
「あはははは!」
『笑ってないで助けて神様っ』
「芋にまた戻ってるし!あーあーもぉー」
庭木にハマったタヌキをズボって引っこ抜いて助ける。何してんだこいつは…。
「…はぁー…ほんともう、楽しいなぁ…」
「やまちゃん笑いすぎ…」
「こんなに笑ったの…久しぶりだ…」
「…………」
「ありがとね…いのちゃん」
泣くほど笑った瞳から、まだ溢れてくる涙が見えて、どうしようもなくなった。咄嗟に山ちゃんを抱きしめてて、ぎゅうって腕に力を込めた。
「いのちゃん…」
「泣かないで…」
「…泣いてないよ……いのちゃん…離れて」
「……………」
「ふふっ…なんで離れないの?」
だって嘘でしょ。泣いてたもん。
抱きついたまま俺も涙が溢れてきたから、離れられなくなった。
うぅ〜って泣きだした俺を、昨日と同じように山ちゃんは頭を撫でて慰めてくれた。
「いのちゃんビビりだし…泣き虫だね」
「なんでそんな…悪口言うの…やまちゃんだって泣いてたくせに」
「あははっ、ごめん……やっぱり…忘れてほしくないなぁって」
「……わすれる?」
顔を上げて山ちゃんを見たら笑ってた。妙に寂しそうな笑顔だった。
身体が離れるのと同時に手を握られて、綺麗な瞳に俺が映る。
「いのちゃん、俺の話きいてくれる?」
「…………」
「俺ね、いっぱいルールを破ったんだ」
初めて会った時から……今まで
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彼方(プロフ) - 最初から最後まで、とても面白かったです!! 高校入学後も、タヌキさんがナイスな橋渡しをしてくれると願ってます(^^) (2022年7月17日 7時) (レス) @page50 id: 88dc4878ec (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 彼方さん» 彼方さん、ありがとうございます!!ほんと停滞サイトで申し訳ない!続きも頑張ります(*´∀`*) (2021年6月27日 9時) (レス) id: 0d940f7544 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - お話が再開されていて、あまりの嬉しさにコメントさせて頂きました。これからも楽しみにしています! (2021年6月26日 20時) (レス) id: 631c1117d1 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ずみさん» ずみさん感想ありがとうございます!!めちゃめちゃ更新止まってるのに読んでくださり有難い限りですm(_ _)m たぬきの大ちゃんは譲れない作者です\(^^)/私もウサギさんは裕翔かなと思ってました(*´∀`*) (2021年6月26日 8時) (レス) id: 0d940f7544 (このIDを非表示/違反報告)
ずみ - 最高に面白かったです!やまいのありの設定が可愛いすぎます。あのうさぎは裕翔くんかなっとつい思ってしまいます。 (2021年6月21日 9時) (レス) id: bd4fe09068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2020年9月9日 22時