それなりに好きなふたり (ページ9)

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元カレページ9

賢人とは、中学の時に付き合っていた。

中学の私は、それなりに楽しんでいた。

相変わらず友達は少なかったけど…

そんな私とは反対な、目立つグループにいたのが賢人だった。

賢人「小鳥遊って付き合ってるやついるの？」

ある日の放課後。

そそくさと帰ろうとしていた私に、突如話しかけた賢人。

「ちょっ、賢人。急にどうしたの？」

賢人と同じグループにいた、たぶん賢人のこと好きであろう女子が困っていたのを覚えている。

『え？急に？笑』

あまりの非日常感と、久しぶりにクラスの子に話しかけられてなんだか笑ってしまった。

賢人「あー、確かに笑
言いたくなかったら、別にいいんだけど。」

『別に好きな人なんていないし。てか、どうした？』

マジで謎だった。

だって当時の賢人といったら、頭はそこそこだけど運動神経がよく、なによりイケメンだったからモテモテな時期で……

クラスで浮いてる私なんかに興味なんてあるわけないと思ってたから。

そしてまた、賢人の口から思いもよらない言葉が繰り出す。

賢人「じゃあ、俺と付き合わない？」

『うん？それ、本気ですか？』

賢人「大まじめに言ってます。」

後ろの賢人と同じグループの人たちも驚いているようだ。

つまり、罰ゲームとかドッキリではないってこと。

『ははっ笑』

賢人「なんで笑うんだよ笑」

『賢人も笑ってんじゃん。』

なんだか、変なやつ。

賢人「今、賢人って呼んだ…」

そしてパリピとは思えないピュアぶり。

『だめ？これから付き合うんでしょ？』

賢人「おー、ありがとう！」

うん。悪くないな。

『よろしく。』

賢人「よろしく、A」

そのあとのクラスの反応はとにかく驚きがすごかった。

「えー、なんで小鳥遊さんと？」

「お前、前から好きだったのかよ！」

などなど……

おいおい、私じゃダメなのかよ。

賢人「まあまあ、いいじゃん。みんなだって、Aのこと顔がかわいいって言ってたじゃん。」

マジか、この点だけは親に感謝だなー

賢人「ということで、俺たちは一緒に帰るんで、またな！」

そう言って私の手をひく賢人。

『おー。』

と、なんか変な声を出しながら賢人について行ったを覚えている。

その帰り道

『なんで私と付き合いたかった？』

賢人「うん？一目惚れからの性格にも惚れたから」

『お、おう。』

なんて話をしたりして、それなりに恋人として楽しんでいた。