それなりに好きなふたり (ページ4)

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イヤホン先生 said ページ4

学校帰り。

今日は早く終わって帰宅部の生徒とほぼ同じ時間に帰ることが出来た。

「でも生徒と一緒の電車嫌やなー。」

仕方なく、隣の駅まで歩いた。

すると、駅のホームにAの姿が。

「A！」

ちょっと嬉しくなって呼びかける。

でもAは気づかないようで仕方なく顔を覗く。

「あっ、イヤホン。」

Aはイヤホンをしていた。

『あれ？大将先生じゃん。』

下の名前で呼ばれて、大人げなくにやける自分がいる。

「おう。いっつもここで乗るん？」

『うん。みんなとあんまり会いたくない。先生も同じ感じ？』

「まあ、そんなとこ。そういえば、何聞いてたん？」

『聞く？』

Aが自分の左耳につけていた片方を差し出してきた。

「お、おう。」

何、最近の高校生は普通に男子にこういうこと平気でするんやろか…

いいでしょ？とかも言わずにしばらく曲を聞く時間が過ぎる。

「あれ？これって…」

『先生、知ってる？あいみょん。』

あいみょん。好きなアーティスト。

好きなことが一緒やった。嬉しい…

「ありがとう、あいみょん…」

思わずあいみょんにお礼を言う。

『ははっ笑
大将先生、そんなにあいみょん好きだったんだ。』

「うん。好き、やで…」

『そっか、私も…』

お互いがそれなりに好き。

今はそれでいいんじゃないかと思う。