それなりに好きなふたり (ページ7)

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お宅訪問ページ7

え？これ、どういう状況？

『せ、んせい？』

なぜか私は大将先生からバッグハグというものをされている。

なんか今日は、なぜかシーンが多いなー。

そんな呑気なことを思いながら先生に問う。

『おーい、先生。どうしたの？』

「なあ、A」

『うん。何？』

急な名前呼び。今までもされてきたはずなのに、今日はちょっとドキドキしたりして…

「明日、学校行きたい？」

そんなの、答え知ってるはずなのに…

『ううん。ぜんっぜん、行きたくない！』

「ははっ笑
教師の前で言うセリフやないな。」

と言いながら、私を抱きしめていた腕を離し、今度は私と向き合うように手をまわす。

「うん。実は俺も行きたくない！」

『おい笑』

この人、ほんとに教師か？

「ので、俺の家に来い！」

『うん。なぜ!?』

ほんとにほんとに教師なのか？この人…

『お邪魔しまーす。』

先生の家はちょっと高めのマンションであった。

部屋も…

『洋服すごっ』

部屋には洋服が色んなところにあって、一人暮らしの家って感じだ。

「俺、洋服好きなんよ。」

『見たらわかるな笑
私、洋服はすっごいこだわる時期と全然手をつけない時期があります。』

「おう。今は？」

『めちゃめちゃこだわる時期！』

「ははっ笑
そうか…好きなの、持ってっていいでー。」

いやいや、そんなデパートのバーゲン状態の服を？そして

『先生が着た服を？』

「嫌か？俺、まだ加齢臭とはほど遠い年齢やと思っとったけどな…」

『いや、そんな意味じゃなくて…
男の人の服って彼シャツっぽくない？』

素直に言うと、大将先生は嬉しそうな顔をする。

「なんや、Aは俺を男として意識してくれとったんや…」

『前から思ってたけど、先生って私のこと好きなの？』

特に意味のない質問だった。

「ん？まあ、今度教えたる。」

そんな曖昧な答え方をされたら…

『なんだそれ笑』

結局、ほんとで先生の家で一日中過ごした。

2人で朝ご飯を食べて、テレビ見て、ゲームして…

『ずっとここにいたいな…』

「そうか。じゃあ、うちに引っ越すか？」

『マジで言ってる？』

「おう。それにお前ん家、お前だけやろ。」

やっぱりな、さすが先生。うちの事情をよくご存知で…

うちは両親共に、放任主義。
というか、私に興味がない。というか、私を気味悪がる。

だから高校を期に、親とは縁を切っている。