*センセイ11 ページ13
*
「おおおじゃまします、」
「おー。散らかってて悪ぃなァ」
家に入ってふわっと香る実弥先生の匂いと視界に広がる部屋。散らかっているという割には物がまとめられていてシンプルながらも清潔感のある部屋だった。
何故こうなってしまったのだろうか。
すべては先程の出来事が原因だった。
「今から飯作るけど、食えるかァ?」
「全然食べれます!」
予想外のハプニングに混乱する私は、ただテーブルの前に座ってそわそわするだけ。先程の恐怖は、混乱と緊張にすっかり塗り替えられていた。
「(いい匂い。)」
台所から香る食材の匂いが鼻を掠めた。
料理男子だ、なんてふと思い頬が緩む。
「っと、出来たぞォ。味は保証できねェが」
実弥先生が気を遣ってつけてくれたテレビ番組を見ているとあっという間に料理が出来て、運ばれてきた。
「わあ、すっごく美味しそうです!」
「あんま期待すんなよ」と少し恥ずかしそうに言いながらも私が口に運び「美味しい!」と言うと安心したようで嬉しそうに笑ってくれた。
「あ、言っとくけど俺が家に上げたって言うなよ。仕方ないとはいえバレたら問題だからなァ」
「ふふ、わかってますって。ほんとにありがとうございます、」
美味しい食事をしながら実弥先生と話していると、先程のことが嘘のように心地よい気持ちになった。
「ご馳走様でした。」
「おう、今風呂沸かしてっから、沸いたら先入れェ」
美味しい食事でお腹が満たされると先生が食器を下げて洗い始めたので、私は慌ててその手を止めた。
「そんな先生にお皿まで洗ってもらってる間に、呑気にお風呂頂けません!私が洗うんで先生先どうぞ!」
「あ?ここは俺ん家なんだから主導者は俺なんだよォ。いっちょまえに遠慮してんじゃねェよ。」
「じゃあじゃんけんぽんしましょ!私が負けたら遠慮なくお風呂頂きます!」
意地になる私に先生は面倒くさそうにため息をつくと、渋々握り拳を出してくれた。
「いきますよ!じゃーんけん.....」
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あや - 私はさねみん推しで、今学校の数学の先生に恋をしています。なので、このお話を読んでいて、すごく楽しかったです! (2021年9月5日 12時) (レス) id: 676a376a05 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - 由瑞さん» ありがとうございます!もう少しお付き合いください〜 (2020年3月26日 9時) (レス) id: 1945be474a (このIDを非表示/違反報告)
由瑞 - 凄く面白かったです。続き楽しみにしています! (2020年3月26日 0時) (レス) id: 8d4739ba12 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - 殿茶さん» えっ、あの、ありがとうございます、小説連載されてますよね?私ずっと読ませて頂いてました!まさかコメント頂けるなんて、、嬉しい限りです。私も楽しみにしているので頑張ってください! (2020年3月15日 17時) (レス) id: c927656a5e (このIDを非表示/違反報告)
殿茶(プロフ) - これからの展開に期待!更新頑張ってください! (2020年3月15日 11時) (レス) id: ab2f0dbeb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴神 | 作成日時:2020年3月10日 10時