【あんさんぶるスターズ！】壊れたモノは直らない。【刀剣乱舞】 (ページ21)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:28,931 hit

#1 ページ21

「どういうこと……」
「ありがとうあんず、あんずがここまでやってくれたんだよね」
「先輩」
「でもごめんね。私は戻れない」
「どうしてですか？」
「私のことを信じて護ってくれた本丸のみんなを裏切りたくない」
「じゃあ…」
「うん、ここでお別れ。私はこのまま消えたら全てなかったことになるんだって」
「待ってください！」
「そうすればあんずがあんな辛い思いをすることもなかったかもしれない。きっとね」
「それじゃあ先輩に関する記憶は」
「ぜーんぶ無くなるの。私に関係したもの全て。だから今日のドリフェスは幻になるの」
「そんなの……そんなの嫌です！」

泣き崩れる私の肩をそっと誰かが支えた

「ごめんね、きっとこれが1番みんな幸せになるから」

そう言うと三日月さんとは反対側にいた加州さんが澪先輩の手をそっと取った

「澪先輩は本当にそれで良かったんですか？」
「きっとこれでいいの。もう拗れすぎちゃって分からないんだもん。こういうのは1度切ってしまうのがいいの」
そう言うと澪先輩は加州さんの手を解き静かにこちらへ歩く

「零、今までありがとう。何から何まで零の支えがなかったらきっととっくに私は諦めてた」
「何、年寄りのお節介じゃよ」
「私ね、零のこと好きだったかも」
いたずらっぽく笑う先輩はいつの日かぶりに見た年相応の女の子の顔をしていた

「俺も」

その返事に澪先輩は涙を浮かべる

「……さて、そろそろ行こうかな」
「澪、もういいの？」
「うん、いつまでもここにいたら戻ってしまいたくなるから」

「さようなら」