Sweet Surprise (ページ1)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:11,562 hit

1. ページ1

私は片想いをしている。

相手は今、黒板の前でお得意の日本史豆知識をベラベラ喋っている白岩瑠姫という男。

白岩という苗字に瑠姫という名前。どっちをとっても強すぎる。
瑠姫なんて姫という漢字が使われているけど白岩先生は全く名前負けしていない。それぐらい綺麗な顔をしていてスタイルもいい。その小さい顔は手で握り潰せそうだ。潰してはいけないけど。

キーンコーンカーンコーン

｢じゃあ終わりまーす｣

起立、礼の合図で授業が終わる。

あぁ、今日の楽しみが終わってしまった。

もうあとは寝るしかない。

そう思って机に突っ伏して目を閉じた。

*
先生を初めて見たのは2年の4月。

始業式で、新任の教師として紹介され壇上に立った先生は輝いて見えた。

少し遠いところから見てたからあんまり顔はちゃんと見れてなかったけど。

それでもなぜか先生はとても輝いていた。

日本史の先生と知ったときは、心から日本史を選択してよかったなと思った。

初めて授業を受けた日。
教室に入ってきた先生は相変わらず輝いていて女子生徒が黄色い声をあげた。

私の目の前に立った先生の顔を見て、なんて綺麗な顔をしてるんだろうと感動した。

先生は黒板に名前を書いて改めて自己紹介をした。

｢白岩瑠姫です。よろしくお願いします｣

こんな名前、先生以外の人だったら名前負けしてしまうだろう。

その名前にぴったりな綺麗な先生の顔を見つめていると目が合った。

普通だったら目が合うとすぐに逸らしてしまうが、なぜか目を逸らすことができなかった。

まるで、自分の脳が先生から一分一秒も目を離すなと言っているように。

すると先生は照れたように歯を見せて笑った。

体にビリッと電流が流れるような感覚。

一目惚れだった。

そこから私は毎日先生のことしか考えられなくなってしまった。