ママ… ページ34
聡…聡…どこ…聡……
ああ…聡…いた……今………逝くからね？
『ママ…来なくていいよ？』
聡？
『ママは…来なくていいよ？
僕はママの中にいるからね
ママは来なくていいんだよ♪』
聡…聡も…俺を…突き離すの？
『違うよ？
僕はいつもママと一緒だからね？
パパがママを呼んでるよ？』
パパって？
聡は俺だけの子供でしょう？
『ママ…パパと…もう一度お話してよ？
そして…仲良しになってよ？』
聡…無理だよ…
それは…もう…無理なんだよ…
『そうかな？
ずっと…ママを呼んでるよ？
ママには聞こえないの？』
えっ？
『パパが…呼んでるよ？
早く一緒にパパのトコへ行こうよ？』
「翔…翔…起きてくれよ…
翔…もう一度…ちゃんと話そうよ？
翔…！」
さとさん？
『ほら…パパが呼んでるよ？
ママ…聞こえるでしょう？』
「翔…！ 起きてくれよ！
翔…！ おねがいだから…！」
さとさん？ どうして？
『パパとママは…ただすれ違っただけなんだよ
ちゃんと、パパとお話してよ？
僕は…急いでママのトコへ来ちゃったんだ
パパとママが…仲良しさんになったら…
また…ママのお腹に行くからね♪
その時は…ちゃんと産まれるからね♪
僕をギュッと抱いてくれる？』
聡…
『約束だよ？
僕をギュッと抱いてくれるんでしょう？
ね？ ママ
パパのトコへ…一緒に行こうよ♪』
待って…聡…まっ……
「翔？ 俺がわかる？」
…さとさん？
「ああ…よかった…よかった…翔…
もう一度…ちゃんと話そうよ？」
話なんて…ないよ…
もう…脱退と引退するよ…
最初から…そうしとけばよかったんだよ…
もう…来なくていいよ…
もう…ほっといて…
「イヤだ！
ちゃんと話そうよ？」
話はもう…終わったんだよ…
もう…俺の事は…忘れてよ…
マネージャーに伝えて…脱退と引退を…
退所届けは…回復してから…書くから…
もう…出て行って…！
「翔…！」
出て行けよ！
はぁ…はぁ…出て行けよ…
そして…もう二度と来るな…
ああ……帰れよ…！
『櫻井さん？ 落ちついてください…
興奮させないでください！
帰ってください！』
俺は…病室を追い出された…
翔の病室の前で…立ち尽くしていた…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伽羅 | 作成日時：2022年3月20日 0時
