傷跡… ページ7
俺が記憶喪失になって…もうすぐ１年になる…
記憶は…さとさんに告白して…されて…
交際をスタートしたくらいまでだ…
俺の記憶では…さとさんは京都にいるはず…
でも…現実は…俺の目の前にいる…
変な感じだった…
さとさんは一緒に風呂に入りたがるけど…
俺は…明るい所で…裸を見られたくない…
俺の身体中にある…無数の傷跡…
殴られ…切られ…刺された傷跡…
さとさんは当然知ってるけど…
俺は…さとさんに見られたくないんだ…
鏡を見る度に…この傷跡が…俺の運命を変えた…
この傷跡がついた事で…俺の記憶がなくなったんだ…
夏でもハイネックの長袖を着ている…
首に無数の傷跡があるから…
一度…メイクさんが傷跡をメイクで消そうとしたが…
刻印のように…消す事は出来なかった…
ハイネックの衣装がない時はストールで隠した…
楽屋も俺だけ…囲いを作ってもらって
そこで着替えている…
５人で旅のロケがあり…
露天風呂のロケがあったけど…
俺は服を着たままロケをした…
傷跡を…誰にも見せたくなかったんだよ…
当然手にも傷跡があり…いつも手袋をしている…
顔の傷は…幸か不幸か…目立たなかったんだけど…
その分…全身には…無数の傷跡がある…
まるで…俺に怨みでもあるように…
俺の身体は傷跡だらけだった…
その事を知ったさとさんが
形成外科を探してきた…
傷跡を消す事ができるかもしれないと…
…だけど…傷跡が広範囲で難しいと言われた…
薬で傷跡を薄くできるかもしれないと…
処方された薬を飲んでいる…
早く…この傷跡も消えればいい…
早く…記憶が戻ればいい…
俺の望みは…それだけなんだよ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伽羅 | 作成日時：2021年10月15日 12時
