一緒に… ページ14
大野さんと一緒に暮らしに慣れてきた
大野さんと呼んでいたが…智と呼べと言うので
智さんと呼んでいる…
智さんと一緒に形成外科へ行った…
傷跡を消す為だ…
傷跡は広範囲で薬で目立たなくしてから
手術などするらしい…
薬を処方され、調剤薬局に行って待っていた
智さんは同じ調剤薬局にいたが買い物をしていた…
「待ったか？」
いえ、ちょうど薬をもらったトコですよ？
「…んじゃ、帰ろうか？」
はい
俺は車の免許を取った
記憶喪失の翔に運転はさせられないから…
家に戻って片付けをした
「僕…仕事しないとダメですよね？」
えっ？
「だって…智さんに迷惑が…
食費だけでも…払わないと…」
仕事できるの？
片足まだ動きにくそうだよ？
仕事よりリハビリでしょう？
「…でも…智さんに…迷惑が…」
迷惑なんて思ってないよ？
先に身体を治そうよ？
仕事はそれからでいいんだよ？
「…わかりました…」
そっと…翔を抱きしめた…
「智さん？」
…俺は…翔がいてくれるだけでいいんだよ…
本当に…それだけでいいんだよ…
「…智さん…僕…思い出したいよ…
どうしてでも…思い出したいんです…」
…翔…
「智さんに抱かれて…安心する理由も…知りたい…
お願いです…」
…翔…そんな顔で言わせないで？
我慢出来なくなっちゃうよ？
俺は…翔にキスをした…
力が抜けていく翔…
壁に押しあて…翔の腰に手を回し…
ずり落ちないようにした…
「…ああ……どうして？
ちからが…ぬけるよ…」
翔は昔からそうなんだよ…
キスに弱くてね…
今みたくなるんだよ…
「…そうなんですか？」
ああ…初めてキスした時も…そうだったよ…
「…智さん…もうダメだ…zzz」
翔！ おい！ 翔！
…眠ったか…こういう事は…昔と同じだな…
俺は寝室に翔を運んだ…
そして…寝顔を見ていた…
…翔…愛してるよ…
記憶がなくてもいいんだよ…
俺の傍に…ずっといてほしいんだよ…
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作者名：伽羅 | 作成日時：2021年10月15日 12時
