京都時代…至急 ページ40
舞台の責任者に無理を言って2日間の休暇をもらった
岡田に連絡をして櫻井くんのいる病院へ
集中治療室から個室になっていた…
ベッドで寝ている櫻井くん…
…今にも…消えてしまいそうだった…
しばらく寝顔を見ていた…
俺の手に櫻井くんの手が…
俺は…櫻井くんの手を握った…
ほんの少しだけ…握り返してきた…
櫻井くん? 俺がわかる?
櫻井くんは軽く頷いた…
話そうとするが…話せないようだ…
変わりにペンを持たせようとしても…
ペンが持てないようだ…
病院側が意思疎通の出来る機械を
櫻井くんに付けた…
『もう…逢えないと思った…』
どうして…?
『…言えない…』
櫻井くん?
『大野くん…俺の分まで…がんばってね…』
おい! 遺言みたいじゃないか!
『…俺は…もう…だから…お願い…俺の分まで…』
おい…! どういう事なんだよ?
はっきり教えてくれよ…!
頼むよ…!
『…言えないよ…あなたには…言えないんだ…』
…どうして…?
『…わかって…ほしい……
俺の最期のわがままを…お願い…
もう…ここには…来ないでほしい…
京都へ戻って? 舞台が…あるんでしょう?』
櫻井…くん…?
『俺は…もう………だから…お願い…
俺の分まで……がんばって下さい………
大野くん…さようなら…元気で………zzz』
おい…! 櫻井くん!
どういう意味なんだよ…!
どうして?
あんなに…元気だったじゃないか…!
一緒に…遊んだり…ダンスしたじゃないか…!
どうして…?
もう……死んでしまうように……言うんだよ…!
櫻井くん!
もう一度目を開けてくれよ…!
お願い…だから…
神様がいるなら…
お願いします…櫻井くんを…翔を助けて下さい!
…お願いします…!
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作者名:伽羅 | 作成日時:2021年8月13日 11時