【短編】Freja【センラ】

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空気がピリピリとしてくる。

「…好きな人とさ、奥底まで繋がりたいって思うのは普通だよね？」

突然、Aがそんなことを聞いてくる。

『そんなの、当たり前やん…』

「センラはさ、私がしようって言っても、【疲れるから】【明日大事なプレゼンだから】って、拒否したよね。…もう、疲れたんだよ。一方通行の好きなんじゃないかって思うことに」

そんなこと、無いのに。

Aのことが大好きなのに。

気づかないうちに見えない溝が広がっていたんだ。

「…センラはたまに私を求めるよね。でも私からの誘いは断る時が多い。私はセンラのラブドールなんかじゃないんだよ？」

違う。そんな気持ちで、やってたわけじゃない。

断ってたのは、仕事が忙しかったから。

そんな言い訳は溢れてくるが、言葉にすることはできない。

「…きっとお互い、性格が合わないんじゃ無いかな。私はきっと、メンヘラって呼ばれる部類なんだと思う。目に見える愛がないと怖いの」

「センラは、あんまり自分から愛を伝えないツンデレってタイプだと思うの」

性格が合わない？

この5年間、ずっと一緒にいたのに？

『や、やだ…』

“別れたくない”

そう言おうとした時、Aの電話がなった。

「ごめん」

そう言ってAが電話に出る。

「あ、うん、近くにいるの？うん、うん、あー、迎えに来てもらってもいい？」

りょーかい、と言って電話を切った。

「すぅ…ねぇ、センラ




_____別れよう？」

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