＊ ページ36
Aside
「何でもなかったら、突然こんなことしないでしょ」
「たまにはこうやって甘えてもええやん」
いつもよりほんのり高くて甘い、そんな声を耳元で出されて頭の中がクラクラしそうになる。
こ、こんなの耐えられるわけない。
「い、１回離れてっ……」
千羅くんの腕を強引に振りほどき、とりあえず彼の膝から立ち上がる。
すぐにくるりと振り返ると、千羅くんはショックを受けたような、悲しげな表情をしていた。
「……やっぱ、俺より坂田の方がいい？」
唐突に放たれたその言葉に、驚きを隠せない。
千羅くんより、坂田さんの方がいい……？
「もしかして、昨日からずっと、その事を考えていたの？」
そう聞くと、千羅くんは目をそらした。恐らくきっと肯定ってことなんだろう。
昨日から少しだけ元気がないな、と思っていた。
てっきり仕事で疲れているからだと、勝手にそう解釈していた。実際に千羅くんは今少し大きいプロジェクトに参加している……から。
でもそんなのはただの私の勘違いで、本当は私が千羅くんよりも坂田さんの方が好きなんじゃないかと、悩んでいたんだ。
もしかしたら付き合ってからもずっと、心のどこかでそのことについて悩んでいたのかもしれない。
私が坂田家の……ままだから。
「ご、ごめん、いい年のおっさんが嫉妬とかキモいよな、今の忘れて」
私があれこれと考えているのを察したのか、千羅くんはひきつった笑みを作りながらそう言った。
私が、千羅くんを、傷つけている。
なんて言ったらいいのかわからない、でも。
「A……？」
気がついたら自然と体が動いていて、千羅くんは私の腕の中に収まっていた。
一般的な成人男性よりも少し細身なその体を、壊さないようにそっと、調整をして強く抱きしめる。
「ごめん、ごめんなさい、昨日私が坂田さんに会って喜んでたから、不安にさせちゃったんだよね」
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響 - これからも頑張ってください！長文失礼しました。（続きです。初めてこんなにコメント書きました(笑)） (2022年3月2日 17時) (
レス) id: 7b474202c0 (このIDを非表示/違反報告)
響 - 日替わりのほうで予告を見て読ませていただきました！語彙力ないのでうまく伝えられるかわかりませんが一つ一つのお話がしっかりしていて話の展開も全然急じゃないのに飽きなくてすっごくいい作品でした！個人的には番外編の志麻さんが出てくるお話が好きです（笑） (2022年3月2日 17時) (レス) @page44 id: 7b474202c0 (このIDを非表示/違反報告)
坂ちゃん(プロフ) - やばい。すげぇ似てる。私、恋人いるんですけど、坂田家なんです。その上恋人の好きな色は黄色... (2018年12月24日 11時) (レス) id: 2e3d2564c8 (このIDを非表示/違反報告)
せらてゃ - 全て読ませて頂きました！！小説読んでて初めて笑いましたwwおもしろいとこがたくさんあって笑っちゃいましたwもうかわいかったです！！これからも頑張ってください（＞＜） (2018年11月25日 1時) (レス) id: 838c277702 (このIDを非表示/違反報告)
ほわいとふぃっしゅ(プロフ) - つぼみさん» そのように言っていただけて本当に嬉しいです……。少し先になってしまうのですが、坂田さんの短編を書かせて頂きたいなとは思っているので、気長にお待ちください！！ (2018年10月29日 18時) (レス) id: b3ad7ee62f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほわいとふぃっしゅ | 作成日時：2018年9月8日 22時
