番外編��.東京 ページ30
センラside
今日はいよいよAが東京に帰る日。二人で新幹線のホームに来ている。
Aはあまり悲しそうな表情を見せないから俺もなんでもない振りをし続けた。
もちろん、１人の時なんかはほんまに病んでたっていうか、寂しくて悲しくて仕方なかった。マジ泣きそうやった。
Aは彼氏と離れて寂しくないんかなぁ……それもそれで傷つくから聞けへんけど。
「わざわざお見送りしてくれるなんて……忙しいのにごめんなさい」
「なんで見送りしぃひんの、するに決まっとるやろ」
「あと敬語」と加えると、Aは「しまった」というような顔をした。
Aがあまりにもタメ口に慣れないので、敬語を使うとちょっとした罰ゲームを受けてもらうルールを作った。
その罰ゲームというのは俺にとってメリットしかないものだから、ガンガン敬語を使ってくれたらそれはそれで悪くない。
「はい」
「えっ、ここ、外だよ。」
「ん？聞こえへんなぁ〜」
「意地悪……！」
わざとらしく言った俺の言葉に対し、Aは顔を赤くしながら睨んできた。
俺の方が背は高いため正直上目遣いみたいになっているから、ただ可愛いだけなんやけど……言ったらまた怒るから言わんとこ。
「ふふ、冗談やで。次会ったとき、やってくれたらええよ」
「よかった……じゃあ、一週間後ね」
「…うん？」
一週間後？
あ、もしかしてAの方から会いに来てくれるんかな？
「一週間後、会いに来てくれるん？」
「……え？」
Aは「何言ってるの」とでも言いたげな顔で首を傾げた。
「その表情、何」
「いや、なんで会いに来てくれる〜とか言ってるのかなって」
「だって、A東京にいるのに来週会うみたいな話しとるから」
数秒の沈黙の後、Aは首をかしげながら口を開いた。
「もしかして千羅くん、何か勘違いしてるんじゃ……私が東京に戻るのは、一週間だけだよ？」
「え」
一週間だけ。
その一言で、ここ数日間ずっと抱え続けていた重たい重たい何かがボロボロと崩れ落ちるのを感じた。
「えっ、千羅くん、泣いてる？」
「Aはこれからずっと東京の本社にいるやと思ってて、それで、会えるのとか一週間に１回とか、下手したらもっと会えへんかなとか思ってて」
うっすらと視界がぼやけていく。
いい歳した大人がこんな駅のホームで涙目とか、恥ずかしい以外なんの感情もわかないけれど、今はもう、そんなことはどうでもよかった。
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響 - これからも頑張ってください！長文失礼しました。（続きです。初めてこんなにコメント書きました(笑)） (2022年3月2日 17時) (
レス) id: 7b474202c0 (このIDを非表示/違反報告)
響 - 日替わりのほうで予告を見て読ませていただきました！語彙力ないのでうまく伝えられるかわかりませんが一つ一つのお話がしっかりしていて話の展開も全然急じゃないのに飽きなくてすっごくいい作品でした！個人的には番外編の志麻さんが出てくるお話が好きです（笑） (2022年3月2日 17時) (レス) @page44 id: 7b474202c0 (このIDを非表示/違反報告)
坂ちゃん(プロフ) - やばい。すげぇ似てる。私、恋人いるんですけど、坂田家なんです。その上恋人の好きな色は黄色... (2018年12月24日 11時) (レス) id: 2e3d2564c8 (このIDを非表示/違反報告)
せらてゃ - 全て読ませて頂きました！！小説読んでて初めて笑いましたwwおもしろいとこがたくさんあって笑っちゃいましたwもうかわいかったです！！これからも頑張ってください（＞＜） (2018年11月25日 1時) (レス) id: 838c277702 (このIDを非表示/違反報告)
ほわいとふぃっしゅ(プロフ) - つぼみさん» そのように言っていただけて本当に嬉しいです……。少し先になってしまうのですが、坂田さんの短編を書かせて頂きたいなとは思っているので、気長にお待ちください！！ (2018年10月29日 18時) (レス) id: b3ad7ee62f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほわいとふぃっしゅ | 作成日時：2018年9月8日 22時
