【アカギ】神出鬼没の。

恋愛 ページ12

昼休みを告げるチャイムが鳴り、

皆散り散りにこの時間を楽しむ。


私はサヤとお弁当を食べながら、話を続ける。


「でも私、アカギさんを好きになる理由がないって言うか…」


「…う〜ん、でもねA、人ってさ、案外簡単なことで人を好きになったりするんだよ

落し物を拾ってもらえたとき、
忘れ物を借りたとき、
ちょっとした仕草、
雰囲気、
一目惚れだってあるし、
話してるだけでも好きになっちゃったりするんだよ

だから、Aがそのアカギさんを好きになるのは不思議なことじゃないんじゃない？」


「……そ、うなのかな」

サヤが言っていることに筋は通っている。

ただ、信じられない。


私はただの高校生。

でもアカギさんは違う。


カイジさんやサヤの話を聞く限り、
並の人間じゃない。
居所も特定できないし、
住む世界が違うんじゃないかと思う。

そんな人に恋をする自分がただただ信じられない。
出会って１日のそんな人に……

「ね、今日、その雀荘に行ってみない？」

サヤの突然の提案に、思わず口篭る私。

「見てみたいんだよね、そのアカギさんって人！」



「いっ、行こう！？サヤが居るなら私…！」


「ひろも一緒にね」


Aばかり応援するわけにもいかないサヤは、
ひろも連れて3人で雀荘をまわることにした。


「…アカギさん、……会えるかな」

ぽつりと呟き、カバンの中のシャツを見つめる。

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