背伸びして、ちゅーっ！*5th【赤葦京治】

Straightening back*176 ページ32

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“自分の気持ちに嘘をついてるんじゃないかな？”




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徹さんにそう言われた言葉は、本当だと思った。




確かに夢を追うために、京治と離れることを選ぶという選択肢だってある。


京治のそばを離れたくないなら、夢を捨てたって構わない。




でも、夢が全てじゃない。




私は京治のことが好きで、ずっと京治といたいって・・・


離れるなんて、イヤだ。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿これが私の本心。




最初から答えなんて決まってた。







赤「A、明日進路調査表提出だけど、決まった？」




貴「っ・・・ううん、まだ・・・」




赤「でも俺と同じ大学行くんでしょ？迷ってるとこあったりするの？」




貴「・・・ん、そのことなんだけど・・・」







帰り道の近くの公園に寄って、ベンチに座る。




丁度進路の話になったから、私はそのまま伝えることにした。


京治、なんて言うかな、、







貴「あのね、前に私夢が見つかったって、言ったでしょ？」




赤「うん」




貴「お母さんの知り合いの人がね、スカウト・・・っていうのかな・・・
　 私、誘われたの、歌ったりする関係の仕事してみないかって」




赤「へぇ、凄いじゃん。A歌上手だったしね」




貴「・・・ねぇ京治、もしもね・・・」







“私が、九州に行くって言ったら、どうする”







そう聞いたときの京治の表情は、


明らかにこの後私の口から告げられることを察したように思えた。

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