幽霊の彼と障害者の私は愛し合っている【nqrse】【歌い手】

11幽霊 ページ13

な「んー昨日はよく寝れた!!」

『良かったね〜、今日は学校でどうする？また成瀬くん散歩しとく？』


な「いや、Aと一緒に居ようかな」

『本当!?やった！』



な「そんな喜ぶ？w」

『だっていつも成瀬くん散歩〜とか言ってどっか行っちゃうじゃん』


な「え？そーだっけ？」


『そーだよ笑』





こんなふうに話しているといつの間にか学校に着いていた。
今日は虐められないだろうか。嫌な思いをしないだろうか。






“あの人のことを思い出せるだろうか”






いつになっても思い出せない、2年前に亡くなったあの人のこと。


成瀬くんとの本当の関係も分からない。





ただの“友達”でもない、“家族”でもない。かと言って、“恋人”でもない。

でも、互いに大切な存在になっていることは確か。





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
昼休みになり、成瀬くんと一緒にお弁当を食べる。

まぁ、成瀬くんはご飯食べなくてもいいんだけどね。




『今日は美術あったから学校楽しい〜』


な「Aって絵上手いよな」


『ほんと！？うれしー』

な「俺の絵も描いて欲しかった」


『え？』

な「え？」







な「俺なんか言った…？」


『俺の絵も描いて欲しかったって……』





な「あ……えっと…その…死ぬ前に討ちこんでた趣味っていうのが自分のキャラクターを作って活動するやつだったから………思わず…」



『………。デザイン教えてくれれば描くよ?』


な「あはは、ありがと。でも、いいや。もうあの時の俺とは違う」




元気付けようと思ってかけた言葉はもっと成瀬くんを傷つけてしまったみたいで……

それに、未だに討ちこんでいた“趣味”というのを教えてくれない。

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