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大倉side
ふと目が覚めて、隣で寝ているはずのAちゃんに手を伸ばすと、そこには冷たいシーツの感触しかなかった。
キッチンの方からわずかに聞こえる調理音。
まだ寝たいところをなんとかして起きて、Aちゃんの元へ向かう。
大「おはよ」
「おはようございます」
キッチンに立つAちゃんの肩に顎を乗せて手元を覗き込む。
大「ぶふふっ(笑)」
「な、なんですか急に」
大「ごめん、昨日のサングラスにマスク姿のAちゃん思い出したら笑い止まらん(笑)」
「首元で笑われると首くすぐったいです！」
大「ごめんごめん(笑)」
怒るとこそこ？と思いつつも、そんなところもかわいくてたまらなくて、後ろからぎゅーっと抱きしめると。
「・・あっちいって座って待っててもらっていいですか、やりづらいです」
渋々ソファに移動して、Aちゃんの姿を眺める。
大「やっぱ好きやなぁ・・」
「え？今なんて？」
大「いや、なんでもないで」
できましたよ、と言われてテーブルにつく。
ご飯と、お味噌汁と、おかずが３品彩り良く並べられていた。
大「やば、めっちゃ美味そう。いただきます！」
「どうぞどうぞ」
お味噌汁も、シンプルだけどそれがまた美味しくて、おかずもご飯に合っていて。
あっという間に完食して、おかわりまでしたからAちゃんは驚いてたけど。
朝から好きな人と一緒に居れて、その人のご飯たべれるなんて、こんなに幸せだっただろうか。
大「次いつ会えそう？」
「しばらく、無理だと思います・・CD発売近くて歌番組もありますし、ツアーの打ち合わせも」
大「俺らも３月入ったら結構忙しなるからなぁ」
「そうですよねぇ」
笑って言ってるけど、どこか寂しそうな表情は、
俺と同じこと思ってくれてるんかなって。
大「Aちゃん」
「はい」
大「仕事頑張りすぎないで、頑張ってな？」
「・・ほんと無茶苦茶ですよね、それ(笑)」
大「自分が言うたんやで？(笑)」
「覚えてますとも(笑)」
おいで、と呼べば俺の胸にすっぽりと収まる、俺よりひとまわり小さい身体。
大「行ってきます」
「・・行ってらっしゃい」
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作者名：Seno | 作成日時：2017年8月13日 1時
