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大倉side
まだ甘いムードの残るベッドの中で、俺と同じ香りのするAちゃんを抱きしめる。
正確には、俺がAちゃんの香りがするんやろうけど。
大「・・俺Aちゃんに謝まらなあかんこと１つあるわ」
ん？と、上目遣いで見てくるAちゃん。
・・かわい。
って、そうやないやろ、俺。
大「前Aちゃんが寝てる間に、キス、して、しまいました・・それも、唇だけやなくて、おでことか、ほっぺにも・・」
「えっ」
大「好きやからって、勝手にそんなことしてほんまにごめんなさい」
「夢・・」
大「ん？」
「夢だと思ったんです、大倉さんに、そうされたの」
目を泳がせて、顔をそらしているAちゃんの横顔がほんのり赤い。
「でも、夢だから、意識しちゃだめだって思って」
大「意識・・してくれてたん？」
「ドキドキでしたよ・・」
大「あーもうやばい、たまらん」
Aちゃんをシーツごときゅっと抱きしめる。
「大倉さん、ちょっと苦しいです・・」
大「え？さっきまで可愛く ただよしっ・・ て呼んでくれてたのにもう戻ったん！？」
「ばっ、なんでそういうこと言うんですか！？」
俺のモノマネがお気に召さなかったようで、Aちゃんはそっぽを向いてしまったけど。
サラサラの髪から見えた耳は、たぶん頬まで真っ赤で。
大「ね、忠義って呼んで？」
「いやです」
大「A、ええ子やから、忠義って呼んで？ん？」
声のトーンを落として、耳を甘噛みしながら言えば、ひっ、と小さく声が漏れて。
色気のない変な声が、かわいくてたまらない。
「た、ただよし・・」
大「ん、よくできましたー♡」
猫にするように顎の下を指先で撫でると、怪訝な顔をされつつも、じっとしててくれる。
完全に呆れられてるわ、俺(笑)
「ほら、寝ましょ。明日も早いんだし」
大「まぁ日付変わってるから今日やけどなー？」
「そういうのはいいんです！ほら、寝ますからね、おやすみなさい」
大「うん、おやすみ」
触れるだけのキスを交わして、ようやく眠りにつく。
つけていた僅かな灯りを消すと、すぐに隣から聞こえてきた規則正しい寝息。
おやすみ、また明日。
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作者名：Seno | 作成日時：2017年8月13日 1時
