34 ページ34
.
北「おーくら？」
「あ、そうです」
電話を切ったタイミングで、北山さんが楽屋に戻ってきた。
電話終わるまで待っててくれたのかもしれないけれど。
北「仲良いよね。で、実際どうなの？」
「どうって・・」
出会ってから約３ヶ月だけど、特に何にも進展は無いし。
お互い何か決定的な事も言ってない。
「現段階では、お友達に近い感じですかね・・」
北「えー？なんかじれったいね２人」
「でも、普通に考えて不釣り合いじゃないですか。私と大倉さんなんて」
北「そう？俺は２人お似合いだと思うけどなぁ」
「いやぁ・・」
北「次いつ会うの？大倉の飯美味いからなぁー」
「・・やっぱり聞いてました？」
北「聞いてたんじゃなくて聞こえたの！」
「・・そうですか」
スケジュール帳を開いて予定を確認。
3月にCDを発売する関係で、仕事は夜までぎっしり。
「すいません。丸一日のオフ、来週しか取れなさそうです」
北「ううん、全然。CD出すし忙しいよねー。でも、Aちゃんの方が忙しいじゃん」
「同じスケジュール＋αですからね(笑)」
北山さんが早く終わる日でも、私は事務所で打ち合わせだの事務作業だの。
お休みは来月末まで無理かなぁ・・
北「ね、この熊のシール貼ってあるところはどういう日なの？」
「ちょ、見ないでください字汚いですから」
そんなものは言い訳で、もちろんそれは北山さんはしっかり分かっていてスケジュール帳を高々と掲げて見ている。
熊のシールの日。
・・言えるわけない。
北「ははぁん。そういう事ですね」
何かを察したような表情。
この人は敵わない・・
「勘が本当に鋭いですよねぇ・・」
北「おおくま！ってことでしょ？」
「いや、単に似ているからってことで、それは意識していなかったです」
おおくまさん、か。
すごい、ぴったり。
北「次のデートはいつなんですか？ん？」
「デートじゃないですし、未定です」
そこに、タイミングよく携帯に大倉さんからのメッセージ。
【さっきはごめんね、でもありがとう】
【次いつにする？】
思わず笑みがこぼれそうになったけれど、北山さんがいるから必死に堪えた。
大倉さんの手料理、楽しみにしてます。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 584人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Seno | 作成日時：2017年8月13日 1時
