第二十五話 お気に入り ページ26
ー自宅
あの少年と別れた私は急いで自宅に戻った。
パソコンに保管してあった情報データの確認をするために・・・
美鶴:「江戸川コナン・・・どこかで聞いた名前だなって思ったけど、
やっぱり、“彼”だったんだ・・・」
パソコンの画面には“ポアロ”で出会った少年の写真と高校生ぐらいの
少年の写真とともに、詳細な情報が記載されていた・・・。
ー彼の名は・・・
美鶴:「・・・工藤新一・・・帝探高校2年、“東の高校生探偵”として
数多くの難事件を解決へと導いた平成のシャーロック・ホームズ
・・・。でも、組織の取引を目撃したために毒薬で暗殺された
・・・幼児化で一命を取り留めたという事実は知られていないが
・・・」
あの有名な高校生が幼児化しているという事実が判明してもあまり
驚かなかった。
なぜなら・・・
美鶴:「あの“忌々しい女”から聞かされた・・・なんて知ったら、
驚くでしょうね・・・」
“忌々しい女”−組織の一員、ベルモットから“秘密”の情報を
聞かされた時は、正直何かの冗談かと思った。
偽の情報を流し、周囲を混乱させることも躊躇わない組織の
女幹部がわざわざ私にこの情報を流した理由が未だに分からない・・・
美鶴:「あの女がこの少年のことを組織に報告しない理由も
分からないわ・・・自分たちに脅威を与えかねない人物を
野放しにするはずがない・・・なぜ・・・?」
もしくは、あの少年はベルモットにとっての“お気に入り”なのでは・・・
でなければ、発覚した時点で組織に報告するはずだから。
美鶴:「でも、そうなるとますます分からなくなるわ・・・
“お気に入り”になったっていうことは、彼と直接
対面しているってことになるけど・・・」
いずれにせよ、興味が湧いてきた・・・
彼が“私たち”の敵ではなく、“同業者”ならば、今後の
活動で協力関係に結びつけることが可能になるー
美鶴:「そうなれば、組織の壊滅に一歩前進できる・・・
零君を守ることもできるわ・・・」
新たな可能性が出てきたことで、来週の非番の日を確認しようと
した時、私の携帯が震えた。
ー燕からの着信だった・・・
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作者名:姫百合(プロフ) | 作成日時:2016年9月13日 21時