【検定結果】 こ〜ゆ〜先生達もいましたっ！ 【イラスト付き】

☆数学の先生 ページ2

〜数学の先生と秘密の放課後〜


放課後。

以前の数学のテストで赤点をとった生徒が強制的に参加させられる、補修。
この学校では先生と生徒一人のマンツーマンで指導する決まりだ。


「お〜いAちゃ〜ん。またここ間違えてるけど...」

『〜〜っ！！あー、もうやだ！』


シャーペンを放り投げ机に突っ伏す。
目の前で椅子に座りケラケラ笑う無精髭の先生をちらりと睨む。

ボサボサに伸びた蓬髪に、サイズの合っていないジャケットをだらしなく着崩す数学の先生。


「もぉ〜、早く問題終わらせなよぉ...次の生徒も見なきゃいけないんだから」

『...次の生徒って、あのギャル？』


補修時間は1人に一時間を設けている。一時間たったら次の生徒に順番に交代する。
私は最後から二番目の順だった。


「あ〜あの子ね。毎回注意しても化粧落としてくれないんだよ、可愛いから俺はいいんだけどね」


ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべる先生。「この女好きが」と心の中で毒づく。
ムカつくので机の下にある先生の足に蹴りを入れる。


「いっ！？...たぁ...何すんのAちゃん」


強い力で蹴ったせいか、涙目で脛をさする先生。
頭では悪い事をしたと思っているが、心はモヤモヤ晴れぬまま。


『...っ』

口をへの字に曲げ、顔を俯く。私の様子を見てヘラヘラしていた先生はより一層笑みを濃くした。


「なぁ〜に怒ってるの？もしかしてヤキモチ？」

人の気持ちなんて知らないで、この男は楽しそうに笑うのだ。
きっとこの想いを伝えたって、笑って誤魔化すだけに決まっている。


『...っうぅ』


こんな奴、好きになるんじゃなかった。
私が嫌いな数学を教える先生に、いつから恋をしていたのだろうか。
悔しくて、辛くて、涙が出るなんて不本意だ。


「っ！？な、泣かないで！ごめんごめん」

『泣いてないし！もうあのギャルと仲良くやってれば！！』

乱暴に立ち上がり、教室から出ていこうとする。
感情的になった私を止めたのは、先生。

掴まれた腕から伝わる体温に嬉しくなる自分が嫌だ。


「あの子、補修ほっぽり出して帰っちまったんだよ...だから」
『...だから？』

「Aちゃんだけ、特別にもう一時間追加補修ね」


パチリとウインクを先生がするだけで、もう卒倒しそう。
増えた残り一時間、次困らせるのは、私の番ね。


『先生...好き』

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