戦乱の世に咲く姫

24 ページ29

ー王騎出陣の前日ー
昌文君が王騎のもとを訪れた。

昌文君 「お主、あれ程秦軍を率いることを拒んでいたのに、なぜ今回は昌平君の召集に応じたのだ。」

王騎 「ンフフフ。
昌文君。
私たちもずいぶん古い付き合いになりましたねぇ。
私とあなたが初めて会った日から色々なことがありましたね。
Aもあなたに会いたがっていましたよ。」

昌文君 「姫は戦には出られないのか？」

王騎 「今回の戦には、出ようとしましたよ。
ですが、私が止めました。」

昌文君は、「馬陽」が六大将軍であった王騎と摎、昌文君そしてAが主となり、かつて趙から奪った城だったことに気づいた。

そして摎が、龐煖という何者かも分からない男に討たれ、Aも瀕死の怪我を負った地であったことも。

王騎 「ですが、あの子が戦の舞台に立つのもそう遠からぬことでしょう。
私もそろそろ六将としての自分とは決別したいものです。
昌文君、あの子のこと頼みますよ。」

昌文君には、王騎が何を考えているのかはわからなかった。

だが、Aのことは摎を守れなかったぶんも守ると心に決めた。

王騎 「ンフフフ。
最後に、一つあなたにアドバイスをしておきましょう。
どうしても困ったときはAを頼りなさい。
あの子は、あなたの願いはむげにできないですから……」

昌文君は、その言葉にこれからおこる戦に不安を抱いたが、Aと同様に自分の心配が杞憂に終わることを願うばかりであった。

Aと昌文君が不安を抱くこの戦。




結果はいかに……………

25→←23

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す