13 ページ18
昌文君に連れられ王宮に来た漂は、ある部屋に通された。
そこには、自分と同じ顔をした人が座っていた。
昌文君 「漂、この方が大王嬴政様だ。
最近、御弟君が謀反を起こそうとしているという情報が入ってな。
お主には大王の身代わりとして過ごしてもらいたいのだ。
もちろん、万が一がないように、我々がしっかり守る。」
そう言われても漂は何と答えればよいのかわからなかった。
すると、政が話かけてきた。
政 「嫌なら嫌と言ってくれてかまわない。
弟が謀反を起こしたとき、もしかしたら敵の刃はお前に向くかもしれんぬ。
その時、お前は俺と間違われて殺される。」
漂 「………」
政 (……声も出ぬか……)
昌文君 (……漂……)
漂 「……あの…昌文君……」
昌文君 「なっ、何じゃ、漂!」
漂 「……しゃべってもよろしいのでしょうか?」
政 「許す。
面を上げて遠慮なく申せ。」
漂 「田舎村の下僕が1日にして王宮に仕えるなどよほど大変なことが待っていると覚悟して参りましたが、まさかこれほどの大任をお受けできると夢にも思いませんでした。」
政 「死ぬのかもしれないのだぞ。」
漂 「友と2人身の程をわきまえぬ大望があります。
もとより、全てをかける覚悟です。」
政 「そうか……」
無事に会談も終わり、漂は、廊下に出るとそっと息を吐き出した。
すると、後ろから昌文君がやってきた。
昌文君 「漂、此度は誠にかたじけない。
お礼と言うほどのものでもないかもしれないが、お主の願いを一個叶えられるものなら叶えるぞ。」
漂 「では、俺たちの命の恩人であるA将軍に会わせてください。」
昌文君 「わかった。
頼んでみる。
だが姫がいや、A将軍が会ってくださるとはかぎらぬぞ。
それでもよいのか?
あと、A将軍のことはくれぐれも誰にも言わぬようにな。」
漂 「はい。
(さっき、昌文君はA将軍のことを姫と呼んでいたな。
ってことはA将軍は女性……?
だが、なぜ姫なのだろう…?
聞きたい…)」
92人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イルカ - mythosさん» ありがとうございます!更新諦めていたのでとっても嬉しいです。もう一度更新頑張ってみます!待っていてください。 (2021年4月26日 17時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
mythos(プロフ) - 凄く面白かったです!亀更新なのは残念ですが、再更新するの楽しみにしています! (2021年3月25日 22時) (レス) id: 908403f7fb (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - ネネコさん» ありがとうございます!!更新がカメのように遅いですが頑張ります! (2020年11月15日 20時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
ネネコ(プロフ) - とても面白かったです。 (2020年11月14日 21時) (レス) id: 222afd864b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:イルカ | 作成日時:2020年10月24日 20時