千の夜をこえて (ページ7)

今日:29 hit、昨日:8 hit、合計:29,216 hit

ep.7 ページ7

碧 side

＂息をしてるだけで、邪魔者扱いされてお兄ちゃんと一緒にいたら、場違いだろって言われて…。私だって、この顔で産まれてきたくて産まれたわけじゃない！太りたくて太ってるわけじゃない！＂

＂わかってたら、私に話しかけたりしないし手を振ったりもしない！ …私の事わかってるんだったら…他人のフリをする＂

はぁ…

「碧、呼んでるよ」

「…」

～

？「…これ」

ボロボロになった1冊のノートだった

？「それと…これも」

俺がAにあげたキーホルダーだった

？「…ごめんなさい」

「…え？」

？「…いじめられてるAちゃんを見ても何も出来なくて……また虐められるのが怖くて…」

Aと同じクラスの子だった

？「…昨日も助けを呼ぼうとしたけど……いつもだったら抵抗しないAちゃんが、叫びだして先輩達に向かって行ったから…」

「…何で？」

？「…お兄さんの事言われた途端…怒ったように泣きながら…」

「…」

？「外でサッカーしているお兄さんを見て嬉しそうな表情をする時がたまにあるんです…。その時が唯一Aちゃんのありのままを見れる瞬間で…嬉しかったんです」

「…」

？「そのノートもお兄さんの事ばっかり書いてます」

「……」

〜