千の夜をこえて (ページ39)

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ep.39 ページ39

〜

花「碧！」

薫「流石やな！」

碧「まぁ笑笑 Aは？」

花「あそこに座ってる」

碧「ちょっと話してくる」

～

碧「A」

『……』

碧「律がゴール決めたあの日俺律に言われたんだよ。
俺今日ゴール決めてA告白するわ！って笑俺は絶対無理って思ってたけどあいつは本当に決めた」

『…』

碧「有言実行するかっけぇ奴だよな。だから、俺はあいつがAの彼氏でもいいって思った。お兄ちゃんっ子でたった1人の可愛い妹を友達に取られるのは寂しかったけど、律と出会ってからのAは今までで1番幸せそうやった。

律が転校するって知った時、Aの為にも言うべきだと思った。でも、俺が言うべきじゃない。俺の知らない、2人しか知らない2人がいると思った

でも、これだけは分かるんだ。

律はAを捨てたんじゃない。

律は

Aの幸せそうな姿を見て最後にしたかったんだって。Aの事が誰より大好きだから」

『……っ……っ……』

碧「…これ。俺のロッカーに入ってた」

渡されたのは手紙だった

碧「A」

『…』

碧「いつでも自分に嘘なく正直でいろ」

お兄ちゃんはそう言って戻っていった

私はお兄ちゃんから貰った手紙を開けた

【A、急に居なくなって泣いてるよな。ごめん

おかんの体調が悪くて兵庫に戻ることになってん

おとうが死んでお兄ちゃんも結婚してるから1人で寂しいって

いくつだよって感じだよな笑

でも、おかんにとっては俺しかおらんから。

Aと碧を見てたら、俺もおかんに会いたくなってさ

久しぶりに会いに行ったら、クスリに手だしておかしくなっててん笑

俺のせいやって。笑俺が側におらんから。やから、サッカーも辞めて働きながら通信制の高校に行って、おかんの側におる事にしてん

ごめんな。約束守れんくて。

何回もAに言おうと思ったけど、Aの笑ってる顔が好きやから言えんかった。それに、かっこ悪いやん？笑

可愛い彼女の前ではかっこいい堂安律でおりたかってん

それと、これだけはわかっといて。

Aの事が世界で、宇宙で1番好きやってこと。

ほんまにごめんな】

『……何で……律くん……律くん！！！！！』

声を殺して泣くことなんか出来なかった

花「……っ……」

薫「……はぁ……」

ソラ「……ｩｯ……」

碧「……」