千の夜をこえて (ページ36)

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ep.36 ページ36

碧 side

〜

「A、学校行くぞー」

『律くんと行くからお兄ちゃん先いってていいよ』

「そっか。遅刻すんなよー」

『はーい』

あと少しで学校に着く時だった

prrrr prrrr

＂A＂

《どうした？》

《律くん来なくてさ、連絡も取れないんだけど何か知らない？》

…もしかして…

俺はそのまま走った

律の家へと

『…なんなの？』

あいつまじで誰にも何も言わずに行こうとしてる

有り得ねえ

律の家に行くと荷物をトラックに乗せてる律がいた

「おい！律！！！」

堂安「…」

「おい！ふざけんなよ！！本気で何も言わねぇつもりかよ！！！」

俺は律の胸ぐらを掴んでそう言った

堂安「…」

「俺たち一緒に頑張ってきただろ？ Aは…？ Aはどうすんだよ！あいつ、お前と会ってから変わったんだぞ…？毎日が楽しそうで幸せだって…律の事しか考えてない…」

堂安「俺だってAの事しか考えてない。どうしたらAを傷つけずに済むか考えた。その方法がこれしかなかってん」

「無責任すぎるだろ…」

堂安「…ごめん」

「…」

「律！」

堂安「…」

律はトラックに乗ってこの場を去っていった

「律、お前が1人で抱え込むことじゃない。嫌だったら嫌って言ってええんやで」

堂安「……っ……」

〜

-学校-

上田「碧！」

『ねぇどういうこと…？お兄ちゃん知ってたの？』

「…」

『…何で言ってくれなかったの？！？！？！何で！！！』

「……今日行くとは知らんやった……」

『でも、いずれこうなることはわかってたんでしょ？！』

「……ごめん……」

『……妹の幸せを願うのが兄の役目って言ったじゃん！！！！！こんなの幸せじゃない！！！！！』

「……ごめん……」

『……何で………ねぇ……なんで……』

上田「…」

ソラ「…」

泣き崩れるAを俺はただ立ち尽くして見ることしかできなかった