千の夜をこえて (ページ35)

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ep.35 ページ35

『家まで送んなくても大丈夫なのに笑』

堂安「こんな可愛い彼女に何かあったら困るやろ笑それに、1秒でも長くおりたいし」

『////笑笑何で可愛いかわかる？』

堂安「ん？」

『かっこいい彼氏がいるからだよ笑』

堂安「コイツ！！！！笑」

『笑笑』

堂安「あーーー！」

『？！？！どうしたの笑』

堂安「幸せや！俺！！ Aがおったら何もいらん！！」

『あ！ちょ！下ろして！！』

堂安「Aー！！」

私を抱きかえて回る律くんは笑顔で

この時もこの世に2人きりかのようだった

周りの音なんてなく電柱のライトが私たち2人だけを照らす

映画の主人公のような

〜

『着いちゃった』

堂安「また会えるから笑」

『うん！笑今日はありがとう』

堂安「俺こそありがとう」

『じゃ、またね』

堂安「…おう」

ｶﾞﾁｬ

堂安「…」

〜

碧「おかえり」

『まだ起きてたの？』

碧「楽しかった？」

『笑笑もちろん笑お兄ちゃんが嫉妬するくらい楽しかった笑笑』

碧「笑笑 A、」

『ん〜？』

碧「今、幸せ？」

『どうしたの？急に、笑』

碧「律と会えて幸せ？」

『当たり前じゃん笑 ……世界で、いや、宇宙で1番幸せだよ』

碧「そっか…笑」

今思えば

律くんの言葉にもお兄ちゃんの言葉にも違和感はあった

でも、何も思いはしなかった

いなくなるなんて

考えてもなかった

-堂安-

『着いちゃった』

帰りたくない

「また会えるから笑」

もう会えない

『うん！笑今日はありがとう』

もうこの笑顔も見れない

「俺こそありがとう」

『じゃ、またね』

また…なんか無い

「…おう」

Aの後ろ姿ももう見れない

ｶﾞﾁｬ

家の中に入った瞬間

我慢していた涙がこぼれ落ちた

神様

俺悪いことしましたか？

どうして俺に試練を与えるんですか？

俺は

幸せになったらだめなんですか？

って言ってもどうしようもならない

だから

せめてAだけは

ずっと幸せでいてほしい

「大好きやで……」