千の夜をこえて (ページ28)

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ep.28 ページ28

-帰り道-

「どうぞ〜」

＂カップル限定！パフェ食べ放題！＂

おぉ〜笑笑

律くんに明日渡さないと

「早く出せよ」

「辞めて下さい」

「ね〜あんたさ、金しか取り柄ないんだからさっさと言われたことくらいしなさいよ」

「じゃないと、この写真晒すよ？笑」

中学生であんな事すんの？

とりあえず、写真撮っとこ

虐めてるやつらの制服有名な芸能学校だし

ｶｼｬｶｼｬ

OK

『ちょっとあんたら』

「何？」

『カツアゲでしょそれ』

「は？違うんだけど。てか、関係ない人は黙ってて」

『ふ〜ん。辞めないならとりあえずこの写真SNSにあげるね。今さ、SNSって凄いじゃん？すぐ拡散されて誰とか特定できるし』

「……」「……」「……」

『よし！OK！いくよ？3！2！1！』

「わかった！わかったから！」

『わかったからじゃなくて、すみませんでした。じゃないの？』

「「「……すみ……すみませんでした」」」

『聞こえなーい』

「「「すみませんでした！！」」」

『よく覚えとくんだよ？私の手にこの写真があることを』

「「「はい……」」」

ほんっとひとりじゃ何もできないんだから

「……あの……」

『ぁ……大丈夫？』

「はい！ありがとうございました！」

『良かった』

「(ｸﾞｩ〜) ……エヘへへ」

『笑笑』

〜

「んー美味しい！」

『ゆっくり食べな笑』

「久しぶりに食べるんです！ハンバーガー！」

『そうなの？笑』

「父が再婚して新しいお母さんになってからいつも家でご飯食べてたから」

『いい事だけど……』

「料理はホントに美味しいです。ステーキ、パスタ、高級の物ばっかり。でも…お母さんが作ったカレーが食べたい。肉じゃがが食べたいって思うんです」

『……お母さんは何で……』

「去年の冬、病気で」

『……大変だったね』

「私より兄の方が大変だったと思います。甲子園に連れて行くって約束したのにその前に亡くなったし学校も転校することになったから」

『……』

「ん！これ美味しい！」

『いっぱい食べな……笑』