千の夜をこえて (ページ11)

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ep.11 ページ11

痩せた日から私は話しかけられるようになった

「A、どうやって痩せたの？」

「ねぇ！今日放課後一緒に遊ぼ！」

「ねぇ！碧さんの妹なんだよね？！いいなー美男美女兄妹とか〜羨ましい！」

「……」

嬉しいなんか思わなかった

『遊びたい？なんでそう思ったの？今まで散々に虐めてきたくせに』

「……ごめん。でも、やりたくてやったわけじゃないから…」

『やりたくてやったわけじゃないのに、トイレに閉じ込めて水をかけてモップで殴ってきて、デブ、ブスって何も知らないくせに笑ったの？』

「……」

『太ってたらあんた達に悪い事でもおこんの？可愛くなかったら生きてる事も許されないの？女だけじゃない。あんた達男だって、人に順位つけて楽しい？自分に損か得か考えて何になるの？バカみたい』

ｰ屋上ｰ

「……Aちゃん！」

同じクラスのソラだった

『……もう何もされてない？』

ソラ「うん」

『私たちみたいな人を助けてくれる人って必ずいるの。でも、その人がいつ現れるかも分からないし本当にその手を取っていいのかもわからない。

私を利用する為かもしれないから。だから、1人でも強く生きていけるようにしなきゃいけないの』

ソラ「Aちゃんはひとりじゃないよ。お兄さんがいる」

『……』

ソラ「私は……誰もいないから」

『私がいる』

ソラ「……うん！」

ー

輝「その人の出会いはかけがえのないものになると