act.31 ページ32
私はティーバックが入ってる箱をみる。
そういえば、舘様がコーヒ派か紅茶派かまではわからないな.....。
『宮舘さんはコーヒーがいいですか？
紅茶もありますけど.....』
「そうですね...、コーヒーで大丈夫ですよ」
『ミルクとお砂糖はいりますか？』
「無くても大丈夫ですけど.....あれば使いますよ」
「わかりました」
それならば一応出しておこうと思い、
コーヒーと自分用の紅茶を簡易キッチンに備え付けられた上の棚から取り出そうとする。
紅茶は取りやすい方にあったけれど、
コーヒーは上の方にあって取り出しづらい。
背伸びをしてインスタントコーヒーの瓶を取ろうとする。
『わっ!?』
「Aさん!?」
前の人が使ったまま放置したのか、床が濡れていたらしい。
背伸びしようとした瞬間に靴が滑り、転んでシンクに頭をぶつけると目を閉じれば後ろからふわっと何かに包まれた感じがした。
目を開ければ、腹部に腕が、肩に手が回っていた。
当然自分のではない。
『み、宮舘さん.....!?』
「よかった、間に合った.....」
ほっとしている舘さんには悪いけれど、横から抱き締められるような体制のせいだろうか。
普段よりも声が近いし、自分ではない香りがするせいか顔が熱いし、ドクドクと心臓の音がうるさい。
『あ、あの.....』
「え、あ.....」
小さな声で舘さんに呼びかければ、舘さんも今の体制に気づいたらしい。
ほんの数秒、気まずい間が流れてはそっと離してもらった。
「すみません、転ぶのを防ぐためとはいえ。
抱き締めるような感じになってしまって.....」
『い、いえ！おかげで助かったので！
気にしないでください！』
お互いに顔が合わせれない。
自分でも信じれないくらい顔が熱いし、絶対にまっ赤だ。
『そ、そうだ。
私、食器を軽く洗っておくので.....！
な、なのであの棚の上の瓶を取って貰えませんか？
私じゃ、届かなかったので.....』
「わかりました.....」
気まずい空気の中、私は食器を水洗いを始める。
流石にスタッフさんが綺麗にしてるだろうけど、軽く洗っておいた方がいい事には変わりがない。
いつの間にか、舘様はインスタントコーヒーの瓶を下ろし終えたらしい。
今度は舘さんが私が洗った食器を横で貰って、備え付けのキッチンタオルで拭いてくれる。
流石、普段家事しているだけあるけれど。
なんだか、変に意識してしまいそうだ。
しかも、あんな事があったばかりだからか、自分からは上手く話せそうになかった。
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Beniimo0208(プロフ) - >みなみ様 コメント及びご指摘ありがとうございます。こちらの確認不足でしたので、修正させて頂きました。今後も見守っていただきますと嬉しく思います。 (2021年1月17日 15時) (
レス) id: 7085968988 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続きが、気になります。27話が、抜けてます。 (2021年1月17日 10時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅芋里芋薩摩芋 | 作成日時：2021年1月13日 5時
