act.26 ページ27
それでも私も、いつまでも引きずろうと思っていたわけではなかった。
『あれからさ.....。
告白してくれた人と一度だけ付き合ったりしたの。
覚えてる？』
《覚えてるよ、私が試しに付き合うのだってアリだって言ったんだもん...。
まあ、二ヶ月ももたなかったけど》
麗華の言う通りで、私はその人と長く続かなかった。
でも、フッたのはその人じゃなくて私だ。
『その時さ、彼と付き合ってた時みたいに熱くなれなかったんだよね.....。
自分を犠牲にしてもいいぐらい好きと思えたのは彼だけだったっていう......。
馬鹿でしょ.....？』
《A......》
未だにその人が好きかと言われれば、わからない。
でも、あれから自分で好きになった人がいないのも事実で。
彼が好きな服を着たり、彼の好きな髪型にしたり、
彼のために料理をするようにもなったりした。
自分らしさなんて彼のためならどうでもいい。
そう思えるぐらいに、好きだった。
呆れるほど、盲目的なほどに。
『自分から耐えきれなくなっちゃったの。
向こうは凄く私を好きでいてくれるのに、自分は同じ熱量で返せない。
同じだけの好きを返せない。
それが凄く苦しくて、申し訳なくて......』
《.........》
だからその後、付き合った人に自分から別れを告げた。
自分だけこんなに気持ちが冷めたまま、その人の優しさに甘えることが私には出来なかった。
きっと、私はもう二度と恋なんて出来ないんだ。
『仮に、仮にだよ？
舘様に告白されたとしても......、断るよ......。
あんな眩しい人、私にはもったいなさすぎるから』
まともに恋が出来ない女が、舘さんに好きになってもらう時点で烏滸がましすぎる。
『それこそ、色んな人と出会う世界にいるから。
凄くいい人を見つけるかもしれないし、ね？
私はこれでいいの。
ひとりでそういうの考えずに生きていく方がずっと楽だもの』
《Aの馬鹿.....》
『ごめん.....』
たぶん、彼女が欲しいのは謝罪じゃないことはわかる。
でも、今の私にはそうすることしかできない。
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Beniimo0208(プロフ) - >みなみ様 コメント及びご指摘ありがとうございます。こちらの確認不足でしたので、修正させて頂きました。今後も見守っていただきますと嬉しく思います。 (2021年1月17日 15時) (
レス) id: 7085968988 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続きが、気になります。27話が、抜けてます。 (2021年1月17日 10時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅芋里芋薩摩芋 | 作成日時：2021年1月13日 5時
