act.22(side.赤) ページ23
事務所の待合室のソファに項垂れるように座り込む。
我ながら、らしくないとは思う。
けれど、Aさんのあんな......、
全て諦めているような表情を見てしまったら。
とても、胸が苦しくなった。
「......次に会ったら、謝らないとだな......」
無神経な事を聞いてしまった。
彼女を知りたいという気持ちが、彼女を傷つけてしまった。
それでも、彼女に惹かれてやまない。
謝って、なかったことにはしたくない。
自分の言葉にも、行動にも俺は責任を持ちたいから。
にしても、告白するにも彼女のことをもっと知らないと。
「昔に付き合った人が忘れられないんだろうか......」
1番はAさんから、話してもらうのがいいのだろけど。
あそこまでの表情になるのは余程の事情があるんだと思う。
そんな彼女だから、見てみたいと思ってしまう。
彼女が、Aさんが恋する姿を。
誰かを愛する姿を。
できることならばこの目で......。
「まさかこんな形で、また自分が恋をするなんて思わなかったなぁ......」
誰もいない部屋に自分の情けない声が響く。
でもどこか、ふわふわとした感覚もある。
恋に恋する、なんて歳でもないけれど。
少なくとも彼女の笑った顔をみたら、舞い上がりそうな自分がなんとなく思い浮かぶ。
次に会う時はテレビ局だろうから、お詫びに何を持っていこうか。
彼女の事を考えながら、マネージャーさんに呼ばれて待合室を出た。
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Beniimo0208(プロフ) - >みなみ様 コメント及びご指摘ありがとうございます。こちらの確認不足でしたので、修正させて頂きました。今後も見守っていただきますと嬉しく思います。 (2021年1月17日 15時) (
レス) id: 7085968988 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続きが、気になります。27話が、抜けてます。 (2021年1月17日 10時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅芋里芋薩摩芋 | 作成日時：2021年1月13日 5時
