act.7 ページ8
電話の相手は舘様かと思いきや、親友の麗華だった。
少し残念に思いながらも、仕事の気分転換に電話に出る。
『もしもし、急になに？』
《え、何で、怒ってるの？》
電話に出た私の声は不機嫌そうに聞こえたらしい。
確かに、舘様だったらいいなと少しは思ったけれど。
『怒ってないよ、少し仕事が手詰まりなだけ。
勘違いさせたならごめん』
それを親友に当たるのは違うと思うので、すぐに謝る。
《気にしないでよ。長い付き合いなんだし。
で、仕事って例の舘さんのドラマの？》
『そうそう。
今は脚本の直し中』
仕事上、詳しい内容は話せないけど。
彼女は舘様が出るということは知っている。
《いいなぁ、お仕事といえどSnowManに会えるんでしょう？
しかも康二やめめ、ラウちゃんとも連絡先交換してるし......》
『康二とは年齢が近いし、出身も一緒だからってだけだよ。
あとの二人だって、特にめめからは全然連絡ないよ』
《ラウちゃんは？》
『たまに文系の宿題とかについて聞かれるけど......、私に聞いてくる時はメンバーが近くにいない時なんじゃないかな』
《えー！私もラウちゃんに国語とか教えたいっ！》
確かに、可愛らしい弟のようなラウちゃんに勉強を教えれるなんて我ながら最高の特権だとは思う。
しかし、現在、私の頭の中を支配しているのは舘様だ。
『ねぇ、聞いて欲しいことがあるんだけど......。』
意を決して親友に舘様のことを相談してみることにした。
彼女は私がSnowManにハマるきっかけを作ってくれた大切な親友だし、こんな事は彼女にしか話せない。
《何それ!? 舘様とデートってこと!?》
親友からの言葉に顔が一気に熱くなるのがわかって、私は自分にも言い聞かせるように否定する。
『違う違うっ！
デートじゃない！仕事にすっごく真面目だから舘様！
こう、仮にも私は監督だし？
監督と主演男優が気まずいってのとかってよくないだろうから......！
つ、つまりそういうこと！』
《でも、あの舘さんが簡単に、
それも女性に連絡先教えるかな？》
『わあああ!!!!深く考えてさせないでよ!!!
とにかくない！ないったらない！』
そもそも女性関係はほとんど噂にならない舘様だ。
私のような人間に惹かれるとは思えないし、そういうリスクを背負う相手に相応しくない。
彼が選ぶとしたらもっと綺麗で可愛らしい人だろうから。
そうやって自分の小さな期待にセーブする。
そうしておけば、傷つくことだってないだろうから。
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Beniimo0208(プロフ) - >みなみ様 コメント及びご指摘ありがとうございます。こちらの確認不足でしたので、修正させて頂きました。今後も見守っていただきますと嬉しく思います。 (2021年1月17日 15時) (
レス) id: 7085968988 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続きが、気になります。27話が、抜けてます。 (2021年1月17日 10時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅芋里芋薩摩芋 | 作成日時：2021年1月13日 5時
