千年恋歌【mackenyu】

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拍子抜けするほどだった。
見ている限りレイラさんはまっけんをとても好いているように見えたのに。



見た目で判断してはいけないというのはこういうところでも出るものなのか。



レ「私に気持ちがない人と結婚してもお互い不幸せですから。先程は失礼な物言い申し訳ありませんでした。どうぞ、お幸せに」



そう言ってどこかに電話すると、レイラさんは姿勢を正してお辞儀した。
その瞳が少し赤かったのをあたしは見逃さなかった。



「レイラさ…」


レ「支えてあげて下さい。私の代わりに」



何も言わすまいとして、握手を求められる。
そっと握れば、その手が震えているのが分かった。



こんなところでも、プライドが邪魔をしてしまう人なんだ。
好きな人が取られてしまうというのに。
あたしの見立ては間違ってなかった。



レ「…では。さようなら」



あまり顔も見ようとせず、足早に通りすぎてしまう。
あたしたちは申し訳ない気持ちと、いろんな感情がごちゃ混ぜになったまま見送るしか方法を知らなかった。



『…僕のこと好きじゃなかったのかな』


「そんなわけないです。泣いてました」



レイラさんが引いてしまった今、あたしは彼女の分までまっけんを支えなきゃいけない。



『…答え、聞かせてくれる？』


「これで…ダメだって言ったらどうするんですか」


『僕はずっと、鳥籠のままだね。婚約破棄したから鳥籠にも居させてもらえないかも』



左腕を掴んでいた彼の手がスルスルと後頭部までのぼってくる。
ゆっくり、でもしっかり固定されて顔が近づく。



『ダメなら思いきり叩いて。それで、諦める』



顔が傾いて……綺麗な睫毛が触れた瞬間。



あたしたちの影は重なった。

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