好きって絶対言わないから (ページ3)

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AM5:00

あっ

と目を覚ますと隣に光成はもう居なくて

でもベットにまだスマホがある

『こうせーい？』

光成「あ、Aごめん。起こしちゃったよね。」

『いや。そうじゃなくて。私も荷物まとめるの手伝うよ。』

光成「じゃあ、クローゼットの洋服、そこのダンボールに詰めといて。」

『わかった。』

クローゼットを開け、

アウターなどをぎゅうぎゅうに詰めていた

『なにこれ、』

小さい引き出しから出てきた写真

それは付き合い出した2人のぎこちない写真だった。

その隣には遊園地に遊びに行った時の

お揃いのぬいぐるみのキーホルダーも綺麗に置いてあって

バカじゃないの。

なんで。

なんで。

私達は別れたくて別れるわけじゃない。

なんで？

なんで？

もし、光成がもっと普通の人だったら、

医院長の息子じゃなかったら、

私達今頃別れるなんてことなかったのかな。

せっかく寝る前に気持ちを整理したのに…

『はぁ。』

光成「A？もしかして泣いてる？」

部屋を覗いて来た光成に気づき

そっと引き出しを閉じる。

『あ。なんでもないよ。

私達ほんとにこれでいいんだよね？

私達はお互い仕事を選んだんだよね。』

私だってずっと家にいたわけじゃなかった。

それなりにいい企業に就いて。

私だって自然と1番に優先していたのは仕事だった

確かにお互いがお互いをとっても愛していたけれど

お互い仕事をえらんだ。

『もうあの頃には戻れないんだよね。』

光成「うん。もうお互い1番じゃないから、」

『だから。だからこそ。最後は笑って「さよなら」って言いたいんだよね。』

光成「うん。そうだね。」

朝、私が仕事に行くよりも先に、大きな荷物を持って出ていった。