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季節は移ろい、いつの間にか春になっていた。


同じ褥で寝ている宿儺がいないことに気づき、輝夜は飛び起きる。


完全に寝過ごしたのだ。


太陽は完全真上へと昇っていた。


急いで居間に行くと、宿儺がゆったりとしていた。




「起きたか」

「す、すみません……こんな時間まで寝てしまって」

「構わん。昨晩は少々無理をさせすぎたな」




その言葉を聞いて、輝夜は頬を少し赤らめた。


話し声が聞こえたのか台所から裏梅がやってくる。


「食事をご用意しますね」と言い、輝夜は遅めの朝餉をいただいた。




心地よい陽気午下。


縁側にて輝夜は宿儺と桜を見ながらゆっくり過ごしていた。


手に持っていた茶の中に桜の花びらが浮かぶ。


それを見て、彼女は趣があると思い笑った。


宿儺がそんな彼女の髪の毛に指を通す。




「花びらでもついていましたか?」

「いゃ、愛おしいと思っただけだ」




それを聞いて輝夜は宿儺から視線を逸らした。


照れているのである。


ふと、宿儺は何かを思い出し懐から小さな箱を取り出す。


その箱を輝夜に手渡す。


「開けても?」と輝夜が問うと、宿儺は頷いた。


そっと箱を開けると、美しい櫛と簪が入っていた。




「結婚してから何も贈ってないと思ってな。……気に入ったか?」

「はい。とても嬉しいです」




彼女の瞳からは心から喜んでいるとわかる。


それを見て宿儺は嬉しそうに笑った。


さっそく輝夜は貰った簪で髪を纏める。




「似合ってますか?」

「嗚呼」




それを聞いて彼女は笑った。


もう、孤独を帯びた彼女はどこにもいなかった。


彼女を孤独から救い上げたのは、非常に奔放で残忍な呪いの王だった。















輝夜は家の周りの林で柴刈りをしていた。


あの事件以降、宿儺の強力な結界のおかげで呪霊が出ることはなかった。

こうして彼女が一人柴刈りが行えるほど安全になったのだ。




「あ、姫さまだ〜。お久しぶりです〜」

「あの時の?」

「そうですよ」




兎が輝夜に話しかける。


どうやらあの時遭遇した月兎のようだ。


しかし、今回はどうやら一羽だけではないらしい。




「わぁ姫さまだ!」

「こんにちは!」

「こんにちは!」

「こんにちは」




沢山の月兎が輝夜に集まってくる。


輝夜はこの光景を見て不思議に思った。

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ミルクティー - 面白い!早く、新しい更新来ないかな〜 (3月31日 16時) (レス) @page21 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - 新作キターーーー! 嬉しい〜! (3月24日 15時) (レス) @page5 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:妃夏 | 作成日時:2024年3月24日 13時

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