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「宿儺様、ご報告が遅くなり申し訳ございません。輝夜様の村を燃やした犯人ですが、帝の手の者でした」
「そうか」
宿儺は裏梅に村を燃やした犯人を探らせていた。
輝夜は犯人を知っていたが宿儺に話さなかったようだ。
宿儺は犯人を聞くや否や立ち上がった。
「裏梅、帝のところに行ってくる。……輝夜のことを頼んだ」
「御意」
宿儺が家を出ようとすると、宿儺の姿が視界に入ったのか、輝夜が声をかけた。
「何処か行かれるのですか?」
「嗚呼。何かあれば裏梅を頼れ」
「分かりました。お気をつけて」
宿儺は家が見えなくなったあたりで、いつもの姿に戻った。
そして朝廷へと移動した。
宿儺の突然の訪問に、朝廷内は大混乱であった。
恐る恐る臣下たちが宿儺へ首を垂れる。
「申し訳ございません。持て成す準備が出来ておらず……」
「構わん。帝に一言言いに来ただけだ」
宿儺はズカズカと長い廊下を歩いていく。
宿儺の姿が見えると、帝は肩を震わせた。
今日が命日かと思うほどであった。
「二度と輝夜に関わるな」
宿儺から言われた言葉に帝は目を丸くした。
帝はその名を勿論知っていた。
お忍びで彼女の姿を見たこともある。
そして、あまりの美しさに求婚をした。
しかし、断られた。
帝の脳裏に答えが浮かぶ。
輝夜は宿儺を選んだのだと。
「はは…そうか…そうか……」
その数週間後。
帝はそれが衝撃的だったのか分からないが、急死した。
死因は謎として片付けられた。
ただ確かなのは、今回は宿儺は直接手を下していない事だけだ。
帝に一言言った宿儺はすぐに家の近くへと戻った。
しかし、その場には嫌な気が流れていた。
呪霊がいる。
人が逃げる足音がした。
ここに人間が来ることなどない。
だとすれば誰なのか。
答えは簡単であった。
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ミルクティー - 面白い!早く、新しい更新来ないかな〜 (3月31日 16時) (レス) @page21 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - 新作キターーーー! 嬉しい〜! (3月24日 15時) (レス) @page5 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:妃夏 | 作成日時:2024年3月24日 13時