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足音がこちらに向かってくる。
私は視線を彼らから、廊下に移した。
「あ、五条先生こんなところにいた!伊地知さんが探してたよ」
男の子がやってくる。
確か、虎杖だったか?
数日の間に、一応全員に自己紹介してもらったのだが。
あまり突っ込むべきではないのだろうが、何故彼は魂が二つも入っているのだろうか。
「あ、輝夜さんと夏油さんもこんにちは」
「こんにちは」
「うむ」
私たちに挨拶をしてくれる。
良い子だな。
「伊地知が探してた?呪いの数は減って、さらには現れる呪霊は雑魚ばっかりなのに、僕に仕事させようとしてるわけ?」
「いゃ、なんかそういう雰囲気では無さそうだったよ?」
「……嫌な予感がする」
五条はそう言って立ち上がり、その場を後にした。
「そうだ、夏油さんまた稽古つけてよ」
「良いよ」
「じゃあ稽古場で待ってるから!」
「……今からかい?……最近の若者は元気だな」
虎杖は夏油をおいて先に去ってしまった。
「はは。まだ数日しか経っていないというのに、上手くやっているようで何よりだね。……救った甲斐があったよ」
「まだ…自分は本当に生きてて良いのか、分からないけどね」
「友が生きてほしいと願ったのだ。生きててやれ」
「……!そうですね」
親友の尊さは分かっている。
この男は良い親友を持ったものだ。
あーあ。久しぶりに、彼奴の顔が見たくなってしまった。
……もうこの世にはいないというのに。
寿命という運命には抗えない。
分かっていたのになぁ……
(ま、長命種だっただけ良かったのか)
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「そういえば、輝夜さん、悟からいくら貰ったわけ?タダじゃないでしょ、私を生き返らせたのは」
「あー……地球…日本のお金の価値は分からぬぞ。五条が手配してくれた口座には【自主規制】とは書かれていたが」
「……後で、ちょっと日本のことについて教えてあげるね」
「うむ?」
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ミルクティー - 面白い!早く、新しい更新来ないかな〜 (3月31日 16時) (レス) @page21 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - 新作キターーーー! 嬉しい〜! (3月24日 15時) (レス) @page5 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:妃夏 | 作成日時:2024年3月24日 13時