御伽話ではない ページ22
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九十九たちは天元の元に訪れていた。
本来なら会いたくない相手であるが、九十九は聞かなければいけないことがあった為、仕方なくやってきた。
あとの生徒は…天元の答えを聞きたいだけである。
天元は一人を除いて、彼女らに挨拶をする。
「私には挨拶は無しかよ」
「君ははじめてじゃないだろ」
「……まあいいや。天元なら知っているだろう、獄門疆の開け方を」
彼女の目的はこれであった。
獄門疆に五条悟が封印され、呪術界の均衡が傾きかけている。
渋谷で両面宿儺が暴れ、沢山の一般人が死んだ。
が、それは全て輝夜が元通りにしてしまった。
しかし。呪術界の上層部は、虎杖悠仁の死刑を一刻も早く望んでいる。
「獄門疆自体は回収出来たのだろう。使用者が解除すれば良いのだが……アイツは死んだのだろ。なら、『天逆鉾』か『黒縄』で開けられるが……」
「それが、全部五条先生が破壊したみたいなんだよね……」
乙骨がそう言うと、全員「何してるんだあの人」という顔をする。
「はっきり言って詰みではあるのだが。……彼女なら出来るのではないかとは思ってる」
「彼女?」
「かぐや姫だ」
「!」
それを聞いて九十九は納得した。
あの化け物じみた力を持ってる彼女なら確かになんでもしてしまいそうだと。
その名前を聞いて、生徒たちは?マークを浮かべる。
「誰のこと?って、あの女の人?輝夜さんだっけ?」
「そう。さっき話してきたけど、かぐや姫と同一人物だそうだ」
「御伽話の中の存在じゃないのかよ」
かぐや姫。
誰もが知っている御伽話。
そう、“御伽話”なのだ。
現実からかけ離れた空想の物語。
存在するはずがない。
けれども彼女は今ここに存在する。
天元は咳払いをした。
「彼女が地球をまた訪れた理由は分からないが、平安時代に一度、この地にいた。まぁ、一年もいなかったみたいだが」
「また訪れた理由は、封印した記憶を戻す為だってよ」
「そうか。なら覚えていないのか……」
「……?なんだ、面識でもあったのか」
九十九の質問に、天元は首を振った。
「彼女は一時的ではあったが、両面宿儺と結婚をしている」
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ミルクティー - 面白い!早く、新しい更新来ないかな〜 (3月31日 16時) (レス) @page21 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - 新作キターーーー! 嬉しい〜! (3月24日 15時) (レス) @page5 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:妃夏 | 作成日時:2024年3月24日 13時