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確かに月と地球を自由に行き来出来るとはいえ、大抵は面倒く、地球にくる月兎なんて物好きか、変わり者の二択であった。




「何故、こんなに沢山君たちは地球にいるの?」

「あぁ、月で権力争いが凄いって話はしましたよね?……皇族全員が死んだんです」

「裏切りに裏切りが重なった結果〜」

「自業自得〜」




輝夜は衝撃を受けた。


まさか月でそんなことが起きているなんて。


皇族が全員いなくなったということは、月の文明が機能しなくなる。


だから月兎は逃げてきたのだと理解した。


心臓が嫌な音を立てていた。




「まぁ、追放された姫さまが気にすることではないよ〜」




自分は追放された身だと思い出す。


少しだけ心臓が落ち着いた。




「にしても姫さま、幸せそうな顔してるね。この前会った時は寂しそうだった」

「そうね…確かに今は幸せかも。私、結婚したの」

「そっかぁ。良かったね。姫さまの幸せの邪魔するのも悪いから僕たちは行くね」




沢山の月兎が輝夜に挨拶して、去っていく。


それを名残惜しそうに見つめる。




「捕まえてくるか?」




突然後ろから話しかけられ、輝夜は驚く。


いつの間にか宿儺が自分の後ろに立っていた。




「私の同胞ですので、自由にさせてあげてください」

「……月に兎がいるのは本当だったのだな」




それを聞いて彼女は笑った。


家に戻りながら、宿儺に月兎について話したのであった。






その日の晩。


寝付きが悪く輝夜は夜風に当たっていた。


空には上弦の月が。





「姫様」





その声を聞いて彼女は驚いて後ろを振り向いた。


そこには忘れもしない男が自分に膝をついていた。




「羅刹……」

「姫様、どうか月にお戻りになってください」




薄々こうなる予感はしていた。


それでも彼女の選択は決まっている。

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ミルクティー - 面白い!早く、新しい更新来ないかな〜 (3月31日 16時) (レス) @page21 id: 12753137d6 (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - 新作キターーーー! 嬉しい〜! (3月24日 15時) (レス) @page5 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:妃夏 | 作成日時:2024年3月24日 13時

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