例えば明日、私が消えていたとしたら【名探偵コナン】

例えば26 ページ28

ターゲットはすでに屋上にいた。

どうやらケータイを弄んでいたらしい。

「よぉ、お前がなんで呼び出されたのか分かってるよな？」

「いいえ、わかりませんね。
なぜでしょうか」

ヤツは俺と距離を取り、ケータイを握り締めたままフェンスの側まで移動する。

「お前が公安の犬だってことは、もうわかってんだよ。
さあ、情報を渡してもらおうか」

「なんのことですか。
公安？ ふざけないでくださいよ」

冷静に言い返してくる。

こういうところはサングリアもバーボンも同じだな。

「……そのケータイ、見せてもらおうか？」

「ケータイ？
もし公安だったとしても、今公安用のケータイを持ってるわけないじゃないですか」

余裕綽々といった様子で肩をすくめる。

この巧みな話術で組織を騙してきたのだろう。

まったく最期まで憎らしいやつだ。

第一、秘密主義なところからして気に入らなかったんだ。

なにを質問したってはぐらかされてしまう。

「もし公安だとしても、じゃねぇだろ。
お前がNOCだってことの調べはついてるんだよ」

ニヤリと笑って返せば、いつもの表情をやめて睨んでくる。

「証拠とやらを出してもらいましょうか。
そんな証拠、ありはしませんけどね？」

その表情からNOCであることが真実だとわかるのに、まだ言い返してくるのか。








「お前は昨日、警視庁を出入りしていただろ？
サングリア、千堂 怜音。

いや＿＿＿＿



公安警察の相澤 百花」

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