例えば明日、私が消えていたとしたら【名探偵コナン】

例えば24 ページ26

「さて、と」

パソコンの電源を落とした相澤さんは立ち上がった。

手にはUSBが握られている。

「相澤さん、帰るんですか？」

「あぁ、先に帰らせてもらうよ。
明日、ジンに会わなきゃいけなくてね」

「……そのUSBは？」

「……言えないね」

最悪の自体が頭をよぎるが、すぐに否定する。

そのUSBが公安の情報だとしたら。

組織について調べた情報だとしたら。

そんなことは有り得ない。

第一、相澤さんはハッキング技術も長けているし警察庁まで来てやることではない。

だから、二重スパイは有り得ない。

「じゃ、お先に失礼するよ」

「はい。また今度……」

返事をしつつも、俺の意識は完全にUSBにいっていた。

いやいや、公安から裏切り？

しかも降谷さんの好きな方だぞ。

あのUSBは、きっとウイルスに違いない。

組織のシステムを壊そうとしているんじゃないだろうか。

……そんな話は聞いていない。

上からの命令なしに動くものか。

降谷さんに会っていないことも気になり出す。

会えない理由はなにか。

避けているのか。

そういえば、ここに来るときも降谷さんがいないかの確認があった。

あぁ、なんでこう疑ってしまうんだろう。



＿＿＿＿違うと言ってください、相澤さん。

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