例えば21 ページ23
「な、なんで?」
心底驚いたように声を出した。
「ボクは怜音さんと別れるのが辛いんだ!!
なにも言われない安室さんは、もっと辛くなるだろう!?
そしたら絶対、泣いちゃうと思うよ……」
最後の方は声が掠れてしまった。
言いたいことの半分も言えてない。
「そうですよっ!!
私も蘭も世良さんも、安室さんも一緒です!
最後に1回、会いたくないんですか?」
「突然大切な人がいなくなると、本当にどうしようもなくなっちゃうんです!」
怜音さんは、初めて表情を歪めた。
泣きそうでいて怒っていて、儚くって消えてしまいそうなのに、笑おうとしている。
そんな表情だった。
「__そうだね、考えてみるよ」
怜音さんはボクたちの涙を拭き取った。
「じゃ、じゃあ__」
「私から言うよ。
だから、そのときまで秘密だよ」
ボクたちに背を向けて放った声は震えていた。
「もう帰ろっか、夕方だし親御さんに心配かけちゃうね。
蘭ちゃん園子ちゃん、今日はありがとう。
キーホルダー、大事にするね。
____真純ちゃん、話があるんだ。
ここで別れようか」
2人は怜音さんに声をかけて去っていった。
なにやらボクに合図をしていたようだけど、その意図は読み取れなかった。
もしかしたら、安室さんのことかもしれないし別の日に約束を取り付けてくれという意味かもしれない。
「怜音さん…?」
蘭君と園子君が見えなくなってから、振り返った怜音さんは笑っていた。
「キーホルダー…」
そう呟かれてさっきもらった青いキーホルダーを取り出す。
手が伸びてきたかと思うと、それは怜音さんの手中に収まり、ボクの手には白いカケラが収まっていた。
「正義の白は……真純ちゃんの方が似合うよ。
交換だよ、真純ちゃん。
あと、あの2人にも言っておいて?
"私のために泣いてくれてありがとう"って」
「え、あ、はい!!」
呆然とするボクを置いて怜音さんは駆け出した。
ボクが足を動かせるようになったのは、夕日が沈み怜音さんの姿が消えたあとだった。
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北雪(プロフ) - ユアンさん» 間違いが多くてお恥ずかしい限りです。ご指摘ありがとうございます。 (2017年2月13日 19時) (レス) id: 8c77ebf6ca (このIDを非表示/違反報告)
ユアン(プロフ) - 「さよなら」の「バイ」の英語はbyeですよ (2017年2月13日 17時) (レス) id: 6c76cbd4e3 (このIDを非表示/違反報告)
北雪(プロフ) - 零音さん» すみません。ご指摘ありがとうございます。 (2017年2月10日 18時) (レス) id: 8c77ebf6ca (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - 風見と降谷がいるのは警視庁ではなく、警察庁ですよ。 (2017年2月10日 13時) (レス) id: 0fac29e216 (このIDを非表示/違反報告)
皇 - 続きが気になります!更新頑張ってください!! (2017年2月7日 23時) (レス) id: 00707a52c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:北雪 | 作成日時:2017年1月23日 17時