例えば明日、私が消えていたとしたら【名探偵コナン】

例えば16 ページ18

怜音さんはボクたちの席に座った。

安室さんの姿は見えず、1人でいるようだったので園子君が誘ったのだ。

安室さんがどうしたのかを聞けば、探偵の方の仕事で忙しいらしい。

ニコニコと笑いながら、店員さんを呼び止めて紅茶とショートケーキを頼んでいた。

「怜音さん、最近忙しいんですか？
安室さんがあんまり会ってないってグチってましたよー」

「確かに1週間は会ってないなぁ。
私もお仕事いっぱいあるし、透君もそうだから仕方ないなー」

淋しそうに腕を組むと、いつもとは違う儚い笑みを浮かべた。

「会えるときに会った方がいいですよ！
会いたくても会えなくなっちゃうと、すっごく寂しいし!!」

蘭君が強くおす。

きっと工藤君のことを言っているんだろう。

確かに、会えるのが当たり前だと思ってそのままにしておくとすごく後悔する。

ボクもそうだった。

秀兄が死んだと聞いたとき、頭が真っ白になってなにも考えられなかった。

秀兄はボクの尊敬する人だし、すっごく強いから絶対生きてまた会えると思っていた。

会えなくなったことが確定したとき、ボクはなにを思ったんだっけ＿＿＿＿？

強くて絶対的だった存在が消えて、目の前にある世界のすべてが信じられなくなった。

なにも考えられなかった。考えたくなかった。

でも、小さいときの思い出はいっぱいあって。

そう思ったら、無意識に涙が出ていた。

安室さんはFBIじゃないけれど、探偵をやっているらしい。

いつかは工藤君みたいに危ないところに首を突っ込んで帰って来られなくなる。


＿＿だから、言わなきゃいけない。


「会えなくなったら、絶対後悔するよ」

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