一話後編 非常識な生活の入り口 ページ3
「はぁ…」
昼休み
私はグラウンド側にあるベンチに座って弁当を開いた。
教室で食べてもいいのだがなんだか惨めな気持ちになるから外で食べることが多い。
「やっぱり来た」
私の足元には小鳥がちょこんと居た。
私は林檎を割り、差し出した。
小鳥は首をかしげ、しゃくしゃくと食べだした。
外で食べるもうひとつの理由はこれだ。
動物が好きな私にとって癒やしだった。だから動物に会える外に食べるということだ。
癒やしを堪能していた、その瞬間だった。
どぉぉぉぉぉぉぉぉんっ
「っ?!」
私はその地響きがグラウンドからだと気付きグラウンドへ向かった。
そこにあった光景は。
「は…?」
私と同じくらいの少女が物語に出てくる怪物のようなものと戦っていたのだ。
少女は怪物に蹴りを入れるとその怪物消えた。
あまりにも非常識な光景に私は息を飲んだ。
「…映画の撮影か何か?」
戦っていた少女がこちらを向き、優しい笑みを浮かべた。
まるで大丈夫だよ、と言うような。
「茨木!」
「せ、先生」
「何があったんだ?!」
先生は必死になって私に聞いた。
私は信じてもらえるか不安になり口を開けなかった。
「森の伐採の音だと思いますよ」
「…葵葉」
「え?」
先生は半信半疑で葵葉と呼ばれた少女を見た。
その少女はさっきの少女に似ていた。
「あそこの森、伐採作業が進んでるらしいですから」
「そ…そうか」
先生は急いで職員室に戻り放送を流す準備を始めた。
私はちらりと少女を見た。
「ごめん、びっくりしたね」
「い…いえ、大丈夫、です」
「私は葵葉青娥」
「茨木華扇…です」
初対面というのとさっきの出来事に動揺しすぎて片言のようになってしまっている。
「丁度いいや」
「え?」
「…さっき私が怪物に戦ってたじゃない?」
「はい…って現在なんですか、今の」
「うん、リアルだよ」
彼女は当たり前だと言わんばかりの表情でこちらを見た。
「貴方も手伝ってもらえないかな?」
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