先生‼︎殺していいですか？〜新たな問題児〜 (ページ40)

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山田涼介side

　

教室に響き渡る大きな物音

…阿部の波長が乱れていたのはわかっていた

対して薮吹さんの波長は気味が悪いくらい落ち着いていた

そして、これは言わされているって言うことも気がついていた

それが阿部も変わらないだろう

ab「…担任、変われってか？」

阿部は…怒りのあまり、机を蹴り飛ばしていた

教室からは悲鳴があがり、何人か逃げている

ks「い、いや…!!」

パニックになっている生徒もいる

S組のままだったら手を出していただろう

けど、阿部も大人

次の段階までは行っていない

ab「…担任、変えろって？」

T組も、阿部がここまでとは思わなかったからなのか黙っている

ab「…誰に、言われて？」

yh「え？」

阿部は薮吹さんの肩を掴んだ

ab「誰にそんなこと言えって…言われた!!」

薮吹さんの目が泳ぎ始めた

…その人を守ろうとする意志と、阿部への恐怖

ym「阿部、怖がってる」

これ以上は危険と判断し、阿部の肩に手を置こうとした

すると阿部はその手に反応して、俺を殴ろうとしてきた

…波長が僅かに反応していたから拳を受け止める

ym「…T組の担任は阿部亮平だ。

代わりなんていない」

ab「…でも、山田先生の方がいいみたいですよ？

おそらく満場一致で」

阿部は声をふるわせて教室から飛び出た

ym「はい、皆座って。

俺は阿部を追いかけてくるから大人しく…琥珀さん」

涙を流しながら震えている琥珀さんに声をかける

ym「…碧棺さん、保健室に連れて行ってあげて」

ah「は、はい」

ym「薮吹さん」

薮吹さんは驚いて俺を見た

おそらく怒られると思ったのだろう

…聞かれたくない話だろうから耳元で囁く

ym「阿部は…今のキミが左目で見えている世界と一緒になってる。

色を奪っちゃダメだよ」

yh「なんで、それを」

ym「…さて、光くんに少しお願いするか。

八乙女先生来るまで大人しく…あれ？」

数人…居ないぞ…