先生!!殺していいですか? ~貼られたレッテル~

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深澤 辰哉side
　


SNSほど便利で恐ろしいものはない



そう実感したのは小学生の頃だった



fk「なんだこれ…」



SNSが流行り始めた時、ある記事を目にした



fk「【世界を救った英雄の今!!】…なんだよこれ」



世界を救った英雄って…ガキか



子どもながらにそう思って記事をタップする



詳しいことはよくわからなかったけど、俺が生まれてすぐくらいに世界は滅亡の危機にあったがそれを救った英雄がいたらしい



その中に…俺の親父がいた



嘘だ、と思った



だってあの親父だぞ？



ギャンブルに狂っておかしくなった…あの親父だぞ？



その記事を読み進めていくうちに親父の個人情報まで載っていた



それはもちろん…家族の情報も



俺は怖くなって読むのをやめた



しばらくするとすぐにその記事は広まった



ということはもちろん、俺たちの情報もバレたわけで、母さんがひた隠しにしてきた親父のことも世間に広められた



今、親父はいない



1年前に癌で死んだ



生きてても死んでも迷惑な奴



母さんが殺した、とか本当は生きてるけど保険金目当てに死んだことにしてる、とか



有る事無い事書かれ、家の前にはペンキでそんなことも書かれた



俺はSNSを恨んだ



すぐにその記事は削除され、人々の記憶から出来事は忘れかけられたけど俺たちの心の傷が治ったなんてない



母さんは…自分で死のうとした



今も意識不明で入院中



誰も助けてくれない



どの言葉が本当でどの言葉が嘘で



そんなの、『言葉』だけじゃ判断できないんだ

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