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私と翔太が手を繋いで学校を出るところを、ヒソヒソと目撃する人達。羨望の眼差しは見て見ぬふりをした。
…いつか、この人に飽きられて捨てられるんじゃないだろうか。
なんて、周りの可愛い子たちを見ていれば簡単に想像してしまうわけで。そう思えば思うほど、私ばかり翔太のことが好きなんじゃないか、なんて無意味なことを考えては消えた。
「なんかさー、」
『んー?』
「余計なこと、考えてない?」
どきり、とした。まさに今考えていたことが、翔太のいう、余計なこと、に匹敵しているからだ。何、エスパーなわけ?
「ほら、言ってみ?」
『やだよ、めんどくさいでしょ。』
「いいから。」
『嫌いに、ならない…?』
「そんなんでなるかよ。」
少し前を歩く翔太が手を引きながら、促す。観念する他ないか。
『いつか、翔太が私に飽きて、捨てられるんじゃないか、って考えてた。』
「………。」
『信じてないとか、そんなんじゃないの。でも、私ばっかり好きな気がして…怖い。翔太に好きでいてもらう自信がない。』
何も言わない翔太に、言い訳じみた言葉をつらつらと並べても、何も言わない。
今は、握られた手以外、彼のことはわからない。
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杏奈(プロフ) - キュンキュンしたり切なくなったり...素敵な作品でした!何気ないセリフだけど「馬鹿だな、俺のことはいいんだよ」にひゃーとなりました笑!はつ恋は実らない。も読んでいたのでやっぱり作者様の表現好きだなと思いました。これからの作品も楽しみにしています! (2020年7月12日 22時) (レス) id: aadbdb729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月叶 | 作成日時:2020年7月8日 0時